ポットサイズとプレイヤーレベル

相手プレイヤーのレベルにあわせて、ポットサイズを変える考え方のことです。

相手プレイヤーにポットサイズをあわせる意味

「ビッグハンドはビッグポット、スモールハンドはスモールポット」という格言があるように、強い時に大きなポットをプレイし、弱いときは小さなポットをプレイする、というのが一般的なポットコントロールについての説明です。

ポットコントロール
意図的にポットサイズを調整する技術。

これは、ハンドの良し悪しとポットサイズを比例させる考え方です。

これと同様に対峙しているプレイヤーのレベルによって、プレイするポットサイズを変えることもポットコントロールといえます。

つまり物凄く強い上級者相手にビッグポットをプレイしている、それだけで危険信号だということです。
※上級者というのは、自分よりも遥かに強い、という意味でとらえてください。

これは、上級者がなんの根拠もなくビッグポットをプレイするはずがない、という根拠に基づいています。

上手いプレイヤーというのは、勝つ時は大きく勝ち、負けるときは小さく負けます。勝っている時はビッグポットを、ポットが取れないと判断したときは早々に退散しているものなのです。

上級者のリーディングスキルは非常に優れており、初心者~中級者にとっては、なかなか覆すことができないスキルの一つです。

その反面、それほど上手くないプレイヤーはワンペアでビッグポットを作ることに躊躇しません。よって、レベルの低いプレイヤー相手にビッグポットをプレイするのは、上級者相手に比べてそれほど危険ではないことになります。

もちろん、上級者とはできるだけ同じテーブルに座らない、ポットを争わないのがベストですが、時には対峙してしまう時があります。

その場合、明らかに自分よりもスキルが上のプレイヤーを相手にしていると認識しているのなら、自分がナッツクラスの手を持っている場合を除き、ポットサイズを小さく保つべきでしょう。

しかし、あまりに相手を恐れすぎると、相手にフィアエクイティーを与えることになるため、必要以上に恐れる必要もありません。

フォールドエクイティとフィアエクイティ
降ろして勝つことを常に意識する。

ハンドの強さと相手のレベルのバランス

ハンドの強さによるポットコントロールと、プレイヤーレベルによるポットコントロールのバランスによって、プレイするポットサイズを判断します。

自分がナッツを持っている場合

これは、何も恐れることのない無敵状態です。相手が初心者だろうが上級者だろうがあなたの勝利は確定しています。

ここであなたが心がけるべきなのは、いかにポットを大きくするかです。しかし初心者相手にポットを膨らませることは容易ですが、上級者相手だと難しいのが現実です。

自分がかなり強いハンドを持っている場合

トップ2ペア、ストレート目の強いボードでのセット、フラッシュ目のあるボードでのストレート、Tハイフラッシュ以下、などがこれにあてはまります。

初心者~中級者相手にはビッグポットをプレイしてもかまいませんが、上級者相手にあまりに大きなポットを築こうとすると、相手がのほうが強い場合にのみ乗ってきて、それ以外の場合は降りてしまう、ということになり得ます。

自分がそれなりのハンドを持っている場合

TPTK、2ペアなどがこれにあてはまります。そもそもハンドが強くないため、どのような相手に対してもビッグポットはプレイすべきではありませんが、ミドルヒットなどで延々とコールするような初心者相手にのみ、ポットを膨らませてもいいでしょう。

この強さのハンドで、上級者相手に対してポットがあまりに大きくなっている場合は危険信号です。特にあなたのテーブルイメージがタイトであればなおさら危険です。タイトなあなた相手に、何の根拠もなく上級者がビッグポットに参加しているのにはそれなりの根拠があります。

自分が弱いハンドを持っている場合

ミドルヒット、ボトムヒット、スモールペア、ドローなどがこれにあてはまります。ハンドが弱い時点でビッグポットはプレイすべきでありません。

初心者相手の場合はできるだけスモールポットでショーダウンを目指すか、降ろせそうならばブラフも検討すべきです。上級者が相手の場合もスモールポットでのショーダウンを目指すべきですが、上級者はあなたの意図に反してベットしてきます。「ブラフで降ろされる」と感じてコールしたくなる気持ちも出てくると思いますが、降りましょう。長い目で見れば、ブラフで降ろされる損害よりも、コールして搾り取られる損害のほうが遥かに大きくなります。

ドローの場合も同じです。「引ければ勝つる!」と感じでコールしたくなるでしょう。もちろん引ければ勝てますが、初心者と上級者相手ではそもそもインプライドオッズが違います。

初心者はあなたがナッツを引いた後でもどんどんポットを膨らませてくれますが、上級者は退散してしまうのです。

よって、相手が初心者ほどドローを引きにいく価値は高まり、上級者ほど価値は下がります。

ラウンドによる判断

ここまで、ハンドの強さと相手のレベルによってプレイすべきポットサイズを書いてきましたが、プリフロップでビッグポットにすることと、リバーでビッグポットにすることでは意味が変わってきます。

ラウンドが早いほど、上級者でもミスをします。いわゆるロングボールです。

プリフロップでのオールインであれば、もちろん上級者ほどあなたよりも強いハンドでコールしてきますが、あなたのハンドがプレミアハンドであれば、勝てる可能性はそれなりに高いと言えます。また、例え負けていても、フロップでどのようなボードが出るかは神のみぞ知るのです。

たとえばあなたがJJでオールインした場合、上級者がTTでコールしてくることもありますし、AKでコールしてくることもあります。これは上級者を相手にした時のスキルの差をポーカーの運の部分で補うプレイといえます。

しかしこれがJJ vs TTで、もしAQ259といったレインボーボードであなたがリバーオールインしたとします。TTの上級者はコールするでしょうか?おそらくフォールドするでしょう。上級者はAヒットや2ペア、セットの時にだけコールしてきます。

これは、ラウンドが進むほど自分のハンドの強さが明確になるため、リーディングに優れる上級者は、より明確に勝っているのか負けているのかの判断を下すことができるようになるためです。

よって、上級者を相手にリバーでビッグポットをプレイしている場合、あなたのハンドがほどほどの強さなのであれば危険だということです。

極端な例

あなたはアウトオブポジション(ポジションが無い)でターンまで打ち合い、リバーで最終的にKハイフラッシュを持っているとします。ボードペアはないためセカンドナッツです。ポットは恐ろしく大きくなっています。

ここであなたは先にオールインしたとします。(スタックによっても話は変わってきますが複雑になるので割愛)

これに対し、上級者はナッツフラッシュでコールしてきます。中級者以下はQハイフラッシュ以下の幅広いハンドでもコールしてきます。

この状況でコールしてくる相手のハンドレンジは、相手のレベルによって変わると言えます。

  • 上級者:ナッツフラッシュでコール
    →コールされたらあなたは負けています
  • 中級者:Jハイフラッシュ~ナッツフラッシュでコール
    →コールされたらあなたが勝つか負けるかは五分五分
  • 初心者:2ペア~ナッツフラッシュでコール
    →コールされても多くの場合勝っている
  • フィッシュ:ワンペア~ナッツフラッシュでコール
    →コールされてもほぼ勝っている

リバーまで開くと、運の要素はなくなり、リーディングだけが物を言う世界になります。

上級者ほどあなたが持っているハンドを的確に絞っており、初心者ほどあなたの持つハンドのことをわかっていません。

こうした認識を持つと、リバーでのあなたのアクションも変わってきます。

相手が上級者の場合

上級者は、あなたよりも強い(上記の例で言うとナッツフラッシュを持つ場合)にはコールしてきて、あなたよりも弱いハンドの場合は、的確なリーディングによってフォールドしてしまいます。そのため、あなたのオールインではバリューを稼げないことになります。よって、バリューベットをうつか、チェックコールでブラフキャッチがもっとも利益を産むプレイとなります。

ただし、バリューベットをしても、相手がナッツを持っていていれば初心者であれ上級者であれレイズされてしまいます。相手が上級者であればナッツの可能性が高く、初心者であるほど弱いハンドでもレイズしてくるでしょう。どちらにしろKハイフラッシュを降りるかどうかというのは難しい選択ですが、相手が初心者であれば比較的安心してコールできると言えます。

相手が中級者の場合

フラッシュを持っていればとにかくコールしてきそうなレベルが相手の場合は、オールインしてコールされてもまず勝っていますが、慎重な相手の場合は、バリューベットかチェックコールかチェックレイズがもっとも利益を産みます。

相手が初心者~フィッシュの場合

なにかしらのハンドができていれば降りないようなコーラー相手であればオールインすべきです。最もバリューが稼げます。オールインに怯えて降りてしまいそうな弱々しいハンドを持っていそうであれば、バリューベットをすべきでしょう。

あなたがインポジションの場合

上級者がオールインしてきた場合は最大限に警戒しましょう。ナッツを持っている可能性が非常に高いと言えます。上級者がチェックした場合、最も保守的なのはあなたもチェックしてショーダウンすることですが、バリューベットも間違いではありません。セカンドナッツはそれだけの強さがあります。もしあなたがオールインしたとしても、コールされるのはナッツフラッシュの場合だけだと考えておいたほうがよいでしょう。

中級者~初心者がオールインしてきた場合、常にナッツフラッシュを持っていることを警戒はすべきですが、上級者相手の時よりも悩まずにコールできます。もし中級者以下のレベルのプレイヤーがチェックしてきた場合、まず間違いなくナッツフラッシュを持っていません。バリューベット、もしくはコールしそうならオールインすべきです。

まとめ

わかりやすいようにセカンドナッツを持つ場合という極端な例で解説しましたが、要は

  • 上級者はあなたのハンドが何かわかっている
  • 中級者はあなたのハンドをある程度は絞り込んでいる
  • 初心者はあなたのハンドがなんなのかまったくわかっていない

という言い方もできます。これもかなり極端な書き方をしています。

「こっちのハンドを完璧に当てるやつなんかいるわけない」

確かにそんなエスパーはいません。(稀にすごいリーディングする人はいます)

しかし、上級者は自分が勝っているのか負けているのか、勝てそうなのか負けそうなのか、降ろせそうなのか降ろせなさそうなのか、という判断能力がズバ抜けているのです。それはほぼこちらのハンドがなんなのかを見抜いていると言っても過言ではありません。

過去に

  • ブラフで降ろしにきたと思ってコールしたらマジ手だった
  • 強そうだと思ってフォールドしたらブラフだった
  • オールインしたら自分より強い手でコールされた
  • 相手のオールインにコールしたら自分が負けていた

という経験を特定のプレイヤーを相手にしている場合、それはあなたよりも相手が上級者だったということです。

そういうプレイヤーとぶつかるのは極力避けるか、ポットサイズを小さく保つよう努力すべきです。

逆に、何を持っているか相手のハンドが透けて見えるような下手糞なプレイヤーを見付けたら、そういうプレイヤー相手には積極的にビッグポットをプレイしましょう。大きく稼がせてくれます。

また、スキルに差はないと感じているのに、上に書いた経験を特定のプレイヤー相手にしている場合、それは俗にいう相性です。もしかすると相手はあなたのテルを把握しているのかもしれません。そうしたプレイヤーとぶつかるのも極力避けるべきです。

最後に、今回の記事はかなり消極的なプレイを推奨しているように書いていますが、決して自分より上手そうなプレイヤー全員を警戒すべきという意味ではありません。極端に警戒すべき上級者というのはそれほど多いわけではありませんし、ある程度の差は肩(運)や相手のミスでカバーできます。

例えば9人テーブルの中で1~2名警戒すべきプレイヤーを決めておく、逆にカモにするターゲットも決めておく、という考え方を持つのです。

カモ相手にビッグポットをプレイして稼ぎ、上級者との勝負は避ける、そうしてスタックを増やすようにしたほうが、勝率は上がるはずです。

ただし、トーナメントであれば遅かれ早かれ上級者とぶつかる事になります。ここぞという勝負所では恐れずに勝負に出なければならないということも覚えておきましょう。

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