アクションプランとは、その後起こるであろう相手プレイヤーのアクションも加味して、今の自分のアクションを決定することを意味します。
アクションプランの種類
アクションプランとはつまり、チェックコール、チェックフォルド、ベットフォルド、といった言い方をされる一連のアクションの流れのことです。
主に自分にポジションが無い(先にアクションをしなければならない)場合に使うことが多い用語です。
チェックフォルド(c/f)
これは、自分はチェックして相手にもチェックしてほしい(ショーダウンしたい)けれど、もしベットされれば降りる、という方針です。相手にベットされた場合、ほとんどの場合負けているであろうと判断できる場合に行います。
例えば自分はボトムヒットしているけれど、相手に打たれた場合、ほぼ上位ランクのカードでペアを作られているかそれ以上のハンドだろうと判断してフォールドします。
最も消極的なアクションプランですが、あなたのハンドが戦えそうにない弱々しいものならば、さっさと撤退するに限ります。
チェックコール(c/c)
チェックコールは、自分はチェックはするけれど、相手がベットしてきてもコールする、という意味です。微妙なハンドではあるけれど、ショーダウンする価値があるハンドの場合や、相手のブラフをキャッチするために行うことが多いアクションプランです。
例えばこちらは2ペアだけれど、ボードに4枚の連続したランクが並んでいる場合などです。相手にストレートを作られている可能性もありますが、勝っている可能性もそれなりにある場合に行います。相手がストレートを装ったブラフをしてきた時に利益を増やすことができます。
もちろん、相手がストレートを持っている可能性もそれなりにありますが、もしストレートであれば、あなたが先にベットした場合レイズされていたことになり、それにコールすると損失は非常に大きかった事になります。
チェックレイズ(c/r)
チェックレイズは、自分は一度チェックし、相手のベットに対してレイズするという非常にアグレッシブなアクションプランです。
素直な見方をすれば、強いことを隠していたことになり、相手に大きなプレッシャーを与えることができます。
ただし、自分がチェックした後に相手もチェックするという可能性もあるため、相手がドローの時に安全に次のカードを見にいく機会を与えることになります。
ベットフォルド(b/f)
これは、自分がベットして、相手にレイズされたら降りる、という意味です。一度ベットしておいて、レイズされたらあっさり降りるというのは一見矛盾しているようにも見えますが、このようなアクションプランが合理的となるシチュエーションは存在します。それは、僅差で勝っているか、大幅に負けているかのどちらかの局面です。
例えばペアボードで低めのスーテッドコネクターでフラッシュを引いて、リバーでバリューベットすると、相手にレイズされた場合などです。相手プレイヤーやスタック、その他のシチュエーションによりますが、この状況でレイズできるのは上のフラッシュを持たれている場合かフルハウスなどしかあり得ない、と高い確率で判断できる場合にフォールドします。しかし、相手にストレートや2ペアが入っていた場合には大きく稼ぐことができるため、チェックコールではなく、ベットフォルドというアクションプランを選択します。もちろん、こうした危険性を察知し、例えフラッシュを引いてもチェックコールというアクションプランにすることも間違いではありません。(相手がストレートなどのハンド持っていた時に得られたであろう利益は失うことになります。)
以上の4つがよく言われるアクションプランです。
これ以外に、あまり言葉としては聞きませんがベットコールというものもあるでしょう。
ベットして、相手にレイズされてもコールする流れです。
例えばナッツフラッシュを持っているが、ボードにペアがある場合などによく行われます。
リバーでナッツフラッシュを引いてバリューベットするとレイズされました。ボードにペアがあるため、ナッツフラッシュは、完全なナッツではありません。相手がフルハウスやクワッズを持っていた場合フラッシュは負けます。
しかしあなたのハンドはフラッシュの中では最も強いナッツフラッシュなので、相手のレイズに対しフォールドするほど弱くはありません。そこで、相手のレイズにもコールし、ショーダウンします。
ケースごとの例
マージナルハンドを持っている
8人のテーブルであなたはCO、ハンドはです。あなたまでフォールドでまわってきたのであなたは2.5BBにレイズ→BTNコール→SBとBBはフォールド、ポットは7.5B。
フロップ:
あなたベット4BB→BTNコール、ポットは15.5BBに。
ターン:
あなたチェック→相手ベット8BB→あなたコール
リバー:
あなたはフラッシュを引くことはできず、ハンドは最終的に8のワンペアです。
さて、このシチュエーションで、もっとも合理的なアクションプランはなんでしょうか?
相手が非常にタイトな場合
あなたがチェックして、相手がベットしてきた場合、相手がタイトなプレイヤーであれば何かしらのハンドができている可能性が高いと言えます。8のワンペアは、そのようなプレイヤーのベットにコールできるほど強くありませんので、チェックフォルドが本線になります。
相手が非常にルースな場合
あなたがチェックして、相手がベットしてきた場合、相手がルースなプレイヤーであれば、ハンドレンジは非常に広いものになります。22~77、3のワンペア、6のワンペア、TJやATのストドロ、ダイア2枚のフラッシュドローなど、あなたよりも弱いハンドでベットして降ろしにきている可能性が大きくなります。ただしあなたが負けているハンドも多数存在します。
この場合、チェックフォルド、チェックコール、ベットフォルド、どれが正しいかは相手のハンドレンジのリーディングや、シチュエーション、相手のベット額によります。
相手のベットが非常に大きいと予想でき、負けた場合に戦線から離脱するような状況であればチェックフォルドでもよいでしょう。
まだトーナメント序盤で、相手がブラフをよくするプレイヤーであれば、ブラフキャッチのためにチェックコールでもよいでしょう。
相手が慎重なプレイヤーであれば、ベットフォルドの方針で、ブロックベットのつもりでベットするのもよいでしょう。
リバーでそこそこ強い
あなたはMPでハンドはです。
UTG+1がリンプ→あなたリンプ→BTNが3BBにレイズ→SBとBBはフォールドして+1コール→あなたコール、ポットは10.5BBに。
フロップ:
+1チェック→あなたチェック→BTNチェック
ターン:
+1チェック→あなたチェック→BTNベット6BB→+1コール→あなたコール
リバー:
+1チェック→あなたのアクションです。
あなたはナッツフラッシュを手にしましたがリバーの6dはボードにペアを作ることになり、誰かがセットを持っていればフルハウスになっています。
さて、このシチュエーションで、もっとも合理的なアクションプランはなんでしょうか?
チェックフォルドはまずあり得ません。相手がフルハウスかクワッズの場合にのみフォールドは正しい選択となりますが、それ以外の場合は損失を産みます(勝っているのに降ろされる)。あなたがチェックしてBTNがベットした時に「間違いなくフルハウスだ」と確信を持てる場合にのみチェックフォルドは正しいアクションプランとなりますが、そのような確信を持てる人はいるでしょうか?
チェックコールは、相手がフルハウスを持っていた場合に、被害を最小限におさえますが、あなたのチェックの後にBTNもチェックした時に、相手がトップヒット、オーバーペア、ストレート、2ペアなどを持っていた場合に得られるバリューを失うことになります。(バリューベットしてコールさせていればもっと稼げた。)
チェックレイズはこのシチュエーションの場合ほとんど意味がありません。チェックレイズの本質は、自分よりも弱いハンドにコールさせて利益を増やすことと、自分よりも強いハンドを降ろすことにあります。今回の場合、あなたよりも弱い2ペア以下のハンドはほぼ降りてしまいます(そもそもそのようなハンドであれば相手もチェックすることがほとんどです)。Kハイフラッシュやストレートで稀にコールするプレイヤーがいるかもしれませんが、あなたよりも弱いハンドはだいたい降りてしまいます。逆に相手ががあなたよりも強いフルハウスだった場合、まず降ろすことはできません。よって、レイズすることで利益が増えることは稀で、損失を増加させる機会を増やしていることになります。
ベットフォルドは現実的です。あなたのベットにレイズできるハンドは、このボードの場合フルハウス以上しか考えられません。同一スーツが3枚落ち、ストレートの可能性もフルハウスの可能性もあるボードで、あなたよりも弱いハンドでレイズするでしょうか?2ペアやオーバーペアといったハンドであれば相手はコールどまりでしょう。つまりレイズされた時点であなたが勝っているのは、Kハイフラッシュやストレート、もしくはブラフのみです。相手がそのようなハンドでレイズしてくるようなプレイヤーであればコール、タイトなプレイヤーであればフォールドでいいでしょう。
ベットコール(相手にレイズされてもコールする)は相手がブラフや、2ペアなどのハンドの場合利益を産みますが、そのようなプレイをするプレイヤーかどうかよく考えましょう。
まとめ
アクションプランを決定する時は、相手が何を持っているのか、というのを決め付けるのではなく、30%は2ペア、50%は1ペア、20%はノーハンド、という風にだいたいの割合を想定して決定します。
そうした想定を前提として、自分がとるアクションと、相手のハンドを比べ、相手の起こすアクションを予想し、最終的に最も自分の利益が大きくなるであろうプランを採用します。
例えばあなたがセットを持ってベットしたとして、相手が2ペア(30%)の場合レイズされ、1ペア(50%)の場合コールされ、ノーハンド(20%)の場合ダウンされるのであれば、80%以上の確率で稼げることになるため、ベットが正しいでしょう。
または、相手が何も持っていないと高い確率(80%)でリーディングできているのであれば、先にベットする意味はほとんどありません。降りられてしまうからです。このような場合はチェックコールの方針にすることで、相手のブラフを誘います。もちろん相手がブラフせずにチェックでまわすこともありますが、ベットして降ろす時と結果は変わらずポットはあなたのものなのです。
ただし、ノーリミットの場合、アクションプランはチェックコールのつもりで、チェックすると相手がオールインしてくる、ということもあり得ます。チェックコールなのだからコールするのが事前の方針ですが、あまりに大きな額のオールインの場合、事前の方針を曲げてフォールドすることも間違いではありませんし、方針通 りコールするのも間違いではありません。
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