ギャップコンセプト

ギャップコンセプトとはデービッド・スクランスキーが提唱した概念のことで、自分からレイズするハンドとレイズにコールするハンドの強さにはギャップ(差)があるという意味です。

ギャップコンセプトの例

例えばQhJsといったハンドは、スターティングハンドの中では上位にくるハンドです。BTNでこのハンドが配られており、あなたまでフォールドでまわってきた場合、レイズインしてもなんら問題ないでしょう。

しかしUTGからオールインが先に入っていた場合、このハンドでコールするかどうかというのは難しい判断となります。

いわば、攻めることはできても受けることはできないハンドというのが多く存在します。

これは、ハンドごとに絶対的な強さの値があるわけではなく、ポジション、スタック量、プレイヤーのプレイスタイルなど多くの要素から見た相対的な判断となります。

エースがあってもコールできない

6人のテーブルでタイトアグレッシブな上級者がUTGからレイズインしており、あなたはBTNでA3oが配られたとします。

UTGのハンドレンジが77+、AT+だと想定すると、A3oというのは良くてワンオーバー、悪くてドミネートされており、ヘッズアップ時の勝率は25%以下です。オリジナルレイザーがタイトなプレイヤーであればあるほど、A3oではコールできません。

※あなたまでフォールドでまわってきていた場合、あなたの後ろにアクションを控えているのはSBとBBのみです。残り二人にポケットかAが入っていない限り、あなたのハンドはAだけで現状ベストハンドですから、レイズするには十分と言えます。たとえコールされても、まだポジションがあります。

エースだけでコールできる

トーナメント終盤、6人のテーブルでスタック4BBのSBがオールイン、あなたはBBでハンドはA2oでした。あなたのスタックはブラインドを差し引くと残り6BBです。

4BBしかないSBのオールインは、いわば切羽詰まった状況でのオールインです。ギャップコンセプトを利用して、KやQ1枚でオールインしている可能性があります。あなたはすでにブラインドを支払っており、負けても飛ぶわけではありません。この状況はAだけでコールできます。

AKでコールできない

AKはオープンレイズするにはもってこいのハンドですが、以下のようなシチュエーションだとどうでしょうか。

UTGがリンプイン→ミドルポジションのあなたレイズメイク3BB→COがリレイズメイク9BB→UTGがリリレイズオールイン(スタック40BB)

COの3ベットは、リスチールの可能性もありますが、ビッグペアの可能性もあります。さらにUTGのリンプインからのリリレイズオールインはKK、AAを示唆しています。あなたのスタックが50BB程度あった場合、これらのモンスターハンドとぶつかると被害が大きすぎるため、この状況ではAKでもコールはなかなかできません。

あなたとCOがフォールドした後に、UTGがハンドを開いて見せてきたのがAKoだったとします。
COはJJを降りたと嘆いています。あなたは「ナイスハンド」と言うしかありません。

まとめ

例でも分かる通り、ギャップコンセプトという概念は、アグレッシブであるほうが有利であるということの根拠となっています。

攻めれるハンドレンジというのは広いですが、受けれるハンドレンジは狭いため、フォールドエクイティは必ずアグレッシブなプレイヤーの方に偏ります。

フォールドエクイティとフィアエクイティ
降ろして勝つことを常に意識する。

ギャップコンセプトを理解すれば、KQ、QJ、KJといったハンドの見方が以前より変わるはずです。

これらのハンドはオープンレイズすることはできますが、レイズに対してリレイズはもちろん、コールするのにもリスクが伴うのです。(Aを持たれているだけで勝率は負けています。)

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