ブラフは直訳すると「嘘」となります。
アクションの一般的な主張として、ベット、レイズ、リレイズは強気のアクションとなり、自分のハンドが現在ベストハンドだと主張していることになります。
しかし、ベストハンドでない可能性が高い状況でベッティングアクションを行うことは、実際には強くないのに強いと主張することになり、ブラフと呼ばれます。
ブラフの目的は、相手にフォールドさせることです。
セカンドハンド、またはもっと弱いハンド(マージナルハンド)を持っていながら、自分は強い、と主張し、相手に信じさせ、フォールドすることを期待するプレイです。
たとえAハイであっても、ベストハンドだと確信が持てるのであれば、ベットやレイズはブラフではなく、素直なアク ションということになります。
ブラフの種類
ブラフには以下の2種類があります。
- ピュアブラフ
- セミブラフ
ピュアブラフ
ほぼ確実に負けているであろう状況でベットし、相手を降ろして勝つことです。
たとえばフラッシュドローをリバーではずしてしまい、結果ノーヒットで役は7ハイ、その状況で相手のベットに対してリレイズして降ろしにかかる、などのプレイです。
ほぼ確実に負けている、と判断できるのは多くの場合リバーです。
フロップやターンではまだ未知のカードが控えているため、自分のハンドが強くなる可能性があり、確実に負けているとはなかなか言い切れません。(言い切れる場合もあります)
セミブラフ
現状は強くないけれど、ベストハンドになる可能性のある状況でベッティングアクションを行うことです。
セミブラフは、ストレートドロー、フラッシュドロー、2オーバーなど、現状ではただのハイカード(ぶた)でしかないけれど、ターンやリバーで特定のカードが落ちた時に、ベストハンドになり得そうな場合にベットします。相手がもしあなたのベットに対し、あなたのハンドをトップヒットや、2ペアと思い込んでフォールドしてくれれば、こちらはドローや2オーバーで勝利することができます。
つまり、ベストハンドを作ってショーダウンして勝つこと、相手が降りること、この2つを期待してベットすることになります。
フロップの段階ではオープンエンドストレートドローもフラッシュドローも2オーバーも、リバーまでいってハンドが完成(進展)する可能性は40%もありません。であれば、その前に降りてもらって勝利を確定させてしまうのは、非常に利益の高いプレイになります。
もしコールされてもストレートやフラッシュになる可能性が残っていますので、まだまだ勝負できます。そういった意味で、セミブラフは比較的やりやすいブラフですし、実際頻繁に行われるテクニックです。
ブラフで大事なこと
降りない(降りれない)相手にブラフはするな
ブラフは相手が降りてくれないと意味がありません。
何も考えずにボトムヒットでコールしてくるようなフィッシュ相手や、なんでもかんでもベットやレイズをするルースなプレイヤーにピュアブラフをしかけると大怪我をします。
ブラフは、「相手のハンドを予測できてフォールド出来る人」に対してしかけるべきです。
見破られるブラフはするな
ブラフは見破られると意味がありません。
ブラフを成功させるには、相手に「本当に強いハンドを持っている」と思わせなければなりません。上手いプレイヤーは必ず相手のハンドレンジを想定してプレイしています。
持っているはずがない、と思われるハンドを主張しても、すぐに見破られてしまいます。
ブラフの成功率を上げる
相手はあなたの普段のプレイスタイル、その日のあなたのテーブルイメージ、そのゲームでのそれまでのアクション、全てを総合してハンドを予測してきます。それを踏まえた上で自分のハンドをどのように予測されているかを常に考えてプレイします。
相手にブラフだとさとられないためには以下の状態が望ましいです。
- 普段からブラフをあまりしないプレイスタイルだと思われている。
- その日ブラフで(できれば一度も)ショーダウンしていない。
- プリフロップ(もしくはフロップ)から一貫ししたストーリーができている。
これらが揃えば、あなたのベットは非常にリスペクト(信頼)されます。相手はまさかブラフではないだろうと思い、フォールドするのです。
普段のプレイスタイルのイメージはすぐに変えれるものではないですし、初対面のプレイヤーは知りようがありません。それに対し、その日のテーブルイメージ、そのハンドでのストーリーというのはいつでも操作できます。
その日のイメージ
プレイヤーは、他の人がショーダウンしたハンドというのは覚えておくものです。
もしあなたがその日ショーダウンしたハンドが2ペア以上の強いハンドばかりだった場合、まわりのプレイヤーはあなたのことを「強い時しか勝負しないプレイヤー」というイメージ持ちます。逆にブラフをしかけて失敗したハンドでショーダウンしたのを見ると「この人はブラフを多用する人だ」というイメージを持ちます。
ブラファーだと思われている状況でブラフをしかける場合、相手が比較的弱いハンドでもコールしてくるようになり、思い切ったブラフはできなくなります。(逆にあなたが強い時に弱いハンドでコールしてくれるメリットもあります)
プリフロップからのアクション(ストーリー)
リバーまでずっと弱気だったのに急に強気のアクションをした場合、相手は「リバーで急にハンドが進展したか、もしくはブラフ」と想像します。
逆に、プリフロップからずっと強気のアクションを継続し、ボードもいかにもあなたのハンドを進展させていそうな気配があれば、相手は「強い」と素直に思ってくれます。このように、ブラフを仕掛ける場合ストーリーが重要になります。
別の言い方をすればボードの気配とあなたのアクションに整合性が取れているかどうかです。
ブラフの例
6人テーブルでレートはブラインド1-2ドル、あなたのポジションはBTNです。
プリフロップでややルースなUTGが6ドルにレイズ→あなたまで全員フォールド
あなたはBTNででコール→SBフォールド→BBがコール(ポットは19ドル)
フロップ:
BBチェック→UTG5ドルベット
あなたはペアにもならずドローも何もありません。つまりショーダウンで勝てる見込みはほとんどありません。よって、あなたはKヒットを装うためにレイズします。
あなたレイズメイク10ドル→BBフォールド→UTGコール(ポットは39ドル)
UTGがコールしました。これはあまり望ましい反応ではありませんが、相手はリレイズではないため、Kより下のポケットかAx、もしくはKヒットの可能性があります。プリフロップでレイズできるKの入ったハンドはAK、KQ、JKなどで、もしAKであればあなたのレイズにリレイズしていると思われます。よって、UTGのハンドレンジはポケットペア、Axと、KQ、JKと予想できます。セット完成もあり得ますが、その場合でもあなたのレイズにはリレイズが常識的なアクションだと思われるため、可能性は低いと思われます。
ターン:
UTGチェック
UTGが弱みを見せるチェックをしました。フラッシュの可能性も出てきましたが、あなたはKヒットを装っているので、もし本当にKを持っていたらここは打つ局面です。
あなた30ドルベット→UTGフォールド
UTGのハンドは、BBはでした。
UTGはあなたがKを持っているとまったく疑わないでしょう。
このボードでレイズできるのはKヒットかフラッシュ完成などです。ノーヒットのUTGはAが落ちるのを願って一度はコールしてターンを見にいきます。ターンでフラッシュドローになりましたが、2枚目のKが落ち、あなたの大きめのベットにKヒットかフラッシュ完成と思い、フォールドを選択します。
フロップ以降、あなたは一貫して強さ(トップヒット)を主張しています。また、3枚目のクラブが落ちたのも効果がありました。フラッシュを完成させた思わせることもできます。
このように、「Kを持っているに違いない」「クラブを2枚持っているかもしれない」と思わせるためには、フロップ、ターン、リバーと、一貫したストーリーが必要です。
もちろん、相手はプリフロップでレイズしており、相手にKが入っている可能性も非常に高いため、リスクのあるブラフとなります。(ブラフは全てリスクがあるとも言えますが・・)
ブラフのしやすいボード
3枚目のスーツが落ちた場合
フラッシュが完成したと思わせることで降ろします。
例:[](ハート2枚持ちを装う)
ボードにペアができた場合
トリップス(スリーカード)ができたと思わせて降ろします。
例:(8持ちを装う)
連続したランクのカードが落ちた場合
ストレートができたと思わせて降ろします。
例:(9Tのオープンエンドを装う)
プリフロップでレイズをしており、フロップでAをが落ちた場合
Aがヒットしたと思わせて降ろします。
例:
全てのパターンは、逆に相手に本当にハンドを作られているという可能性も秘めているため、相応のリスクがあります。
相手にハンドはできていないと高い確度で推測でき、且つあなたのハンドが完成していると思わせる力量が求められます。
このように、ただブラフをすればいいというものではなく、あらゆる情報を精査して成功率の高い状況でブラフを行うよう心がけましょう。
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