ハンドレンジとは、あるプレイヤーが持ち得るであろうハンドの組み合わせのことです。
相手プレイヤーが持っているハンドというのは、当然1種類のハンドですが、自分には相手のハンドは見えません。
よって、相手が持っているであろうハンドの組み合わせの全てをハンドレンジとして想定します。
スターティングハンドのレンジ
プレイヤーがゲームに参加する、しないといった判断を行なうレンジのことです。
プレイヤーの持ちえる2枚のカードの組み合わせ総数は、52枚の中から2枚を抜き出すことになるので、52C2となり、組み合わせ総数は1326通りとなります。(組み合わせに関する詳しい解説はこちら)
ただし、相手のハンドレンジを想定するときに、であるか、であるかを区別はしないため、AKoとまとめて考えます。そうすると、ハンドというのは全169種類になります。(全169種類のスターティングハンドのリストはこちら)
たとえばプリフロップでタイトなプレイヤーがUTGからレイズした場合、こうしたアクションを行なうのは上位5%程度のハンドである、と仮定すると、持ち得るハンドレンジは
88+, AJs+, KQs, AKo
となります。これらのハンドの組み合わせ総数は70通りあります。ですので、正確には1325通りのうち、上位5.28%ということができます。
プリフロップのアクション後
事前にアクションがあった場合のレンジというのはある程度狭まります。
例えば、事前にレイズが入っていた場合に3ベットするレンジや、コールするレンジです。
事前にレイズが入っており、3ベットするレンジは、タイトなプレイヤーであれば上位2%程度になるかもしれません。その場合のハンドレンジは
JJ+
となります。AA、KK、QQ、JJのたった4種類です。組み合わせ総数は24通りです。
レイズにコールするレンジであれば、上位2%(3ベットするので)を除いた、15%までのハンドと仮定すると
TT-77, A7s+, K9s+, QTs+, JTs, ATo+, KTo+, QJo
となり26種類、組み合わせ総数は160通りとなり、1326通りの中で12.07%がこのプレイヤーのスターティングハンドのレンジとなります。
こうした、ハンドを強い順に並べた時の特定の範囲でハンドレンジを想定するのは、あらゆるプレイヤーに適応できるオーソドックスなハンドレンジの考え方です。
中にはスーコネを好むプレイヤー、AA、KKでフラットコールを多用するプレイヤーなど、オーソドックスなレンジから外れるプレイヤーも存在するでしょう。そうしたプレイヤーと対峙した場合は、想定するハンドレンジの調整というのは必要です。
フロップ以降のハンドレンジ
9人テーブル、あなたはでミドルポジションからレイズし、パッシブなBTNがコール。
フロップ
あなたはポットの半分をベット→BTNレイズ
あなたのリーディング
「相手はタイトでパッシブなプレイヤーなのでブラフはない。最低でもTPTKか2ペア以上。パッシブと言ってもAKならプリフロップで3ベットしているはずなのでTPTKは除外。K4やQ4ではそもそも参加してこないのであり得るならKQ。セットならKKとQQはプリフロップで3ベットしているはずなので除外、よってセットの可能性は44のみ。オープンエンドになるJTでもレイズする可能性はある。」
というリーディングから導き出されるハンドレンジは以下のようになります。
44, KQs, JTs, KQo, JTo
組み合わせ総数38通り、全体の2.87%です。
ただし、あなたはを持っており、フロップはですから、相手のハンドレンジの中からとの除いた組み合わせになります。
よって、25通りが相手のハンドレンジとなります。
この相手のハンドレンジが正しい場合、現状でのあなたの勝率と相手の勝率は
- あなた:AdQs:49.09%
- 相手:4d4h,4d4s,4h4s,JTs,KhQh,KcQc,JTo,KdQh,KdQc,KhQc,KcQh:50.91%
なんとほぼイーブンです。KQが濃厚なのに?
これは相手のレンジにJTo、JTsというオープンエンドを入れており、且つ相手のKQの組み合わせが減っている(あなたがQを1枚持っているから)ためにこのような数値になっています。
KQが濃厚だと思うなら、JTである確率を狭めましょう。ここで、相手がJTを持ってる確率を半分にします。すると。
- あなた:38.91%
- 相手:61.09%
となります。相手がオープンエンドの場合は勝っており、相手が44の時はほぼ負け、相手がKQの場合はAがアウツとなります。
TJでそんなことはしない、2ペアかセットが濃厚だ!と相手のレンジを読んだ場合は
- あなた:AdQs:10.43%
- 相手:4d4h,4d4s,4h4s,KhQh,KcQc,KdQh,KdQc,KhQc,KcQh:89.57%
となります。
※この例は、相手のハンドを、読みやすい典型的なタイトパッシブなプレイヤーとしているので、ハンドレンジはかなり狭く設定しています。本来は、ブラフの可能性、AKの可能性AQの可能性など出てくるでしょう。
まとめ
大事なことは、相手のハンドを決めつけないことです。
AKに違いない!と思っても100%はありません。
セットに違いない!と思っても100%はありません。
何パーセントでAKなのか、残りのパーセントはいったいどんなハンドがありえるのかを常に考えて対応しましょう。
相手のハンドを特定の2枚ではなくレンジで考えた時に、あなたの持つハンドの勝率はこれまでとまったく変わったものになるでしょう。
ハンドレンジについて理解したら、さらに一つ上の考え方を学びましょう。
コメント 名前とメアドは必須ではありません
今更の変な茶々入れすみません。
>プレイヤーの持ちえる2枚のカードの組み合わせ総数は、自分のハンド2枚を除く残りカード50枚の中から2枚を抜>き出すことになるので、50C2となり、組み合わせ総数は1326通りとなります
50C2は50*49/2で1225になると思うのですが・・・
因数に5の倍数が入ってるのに答えが5の倍数になってないので気になりまして^^;
ご指摘ありがとうございます。
本来相手のハンドは50C2で1225通りなのですが、エクイラボは全ての組み合わせである52C2で計算しているため、混在してしまいました。
記事のほうは52C2で統一いたしました。
フロップ KsQd4c
自分 AdQs
の状態で、
>44, KQs, JTs, KQo, JTo
>組み合わせ総数38通り、全体の2.87%です。
となっていますが、
44 ->6通り
JTs ->4通り
JTo ->12通り
KQs ->2通り
KQo ->6通り
で、30通りになるのではないでしょうか。
それともフロップのカードも相手のハンドレンジに含めるのが一般的なのでしょうか。
だとしたら、イマイチ納得感がないです。
間違えました。
KQo ->4通り
なので、28通りだと思いました。
>4通りを除いた34通りが相手のハンドレンジとなります。
上記で、自分のハンド分のQは省いてますがフロップ分を省いてないような気がします。
KQがだいぶ減るので、勝率への影響が大きいかと。
ご指摘ありがとうございます。おっしゃる通り、相手のレンジから既知のカードを除く場合はボードのカードも除かないといけないですね。44からも4cを除かないといけないので、25通りになります。記事も修正いたしました。
ただ、エクイラボを使って勝率の計算をしているのですが、既知のカードも考慮した計算をしてくれているので、勝率は記事に書かれているもので合っていました。
初心者なので教えてほしいのですが
JJ+の+ってどういう意味でしょうか?sとoならわかったのですが
JJを含む、JJよりも強いハンド、という意味です。
JJ+=JJ、QQ、KK、AAを指します。
AQo+=AQo、AQs、AKo、AKsを指します。
こんにちは、質問なのですが
「たとえばプリフロップでタイトなプレイヤーがUTGからレイズした場合、こうしたアクションを行なうのは上位5%程度のハンドである、と仮定すると、持ち得るハンドレンジは
88+, AJs+, KQs, AKo
となります。これらのハンドの組み合わせ総数は70通りあります。ですので、正確には1325通りのうち、上位5.28%ということができます。」
こちらの文章で上位5%程度のハンドであるの5%は何を全体とした5%でしょうか?
その5%で88+ ASs+ KQs AKo になる理由も教えてほしいです。
又、70通りになる計算方法などもお願いします。
表をみて色々計算してみたのですが、どのように計算すればそのようになるのかわからなかったので、よろしくお願いします。