テキサスホールデムにおいて、ポジションはプレイする上で最も重要な要素です。
テキサスホールデムにおけるポジションの基本的な知識は以下の記事をご覧ください。
基礎編でも書いていますが、アクションを先に行うポジションは不利、後で行うポジションは有利と言われています。後のほうが、他のプレイヤーのアクションを見てから自分のアクションの判断ができるため有利となります。
不完全情報ゲーム(相手の手札が見えないようなゲームのこと、将棋などは完全情報ゲーム)では、情報量がそのまま有利さになりますので、他のプレイヤーのアクションという情報を得てからアクションできるレイトポジションは有利と言えます。
ポジションの有利さを物語る話として、有名なプロのポーカープレイヤーが、オンラインのトーナメントで、一度も自分の手札を見ずに優勝した、という話があります。ポジションと相手のアクションによる洞察力だけで勝つことができるのです。
スターティングハンドの基準を変える
スターティングハンドごとの、そのゲームに参加(コールかレイズ)するかフォールドするかの判断基準をポジションによって変えます。
たとえばKJo(キングとジャックのオフスーツ)は、アーリーポジションならフォールド、レイトポジションで事前にレイザーがいなければ参加、など基準を変えます。
また、スターティングハンドの「参加か否か」の判断基準は、テーブルについている人数によっても微妙に変える必要があります。人数が少ない場合は参加の敷居を下げ、多い場合は上げます。
6人プレイでのミドルポジションと、10人プレイでのミドルポジションでは求められるハンドの強さが違うのです。
参加人数が少なければ、良いハンドを誰かが持つ可能性は低く、参加人数が多ければ高くなります。
極端な話、AK以上の手札を持つプレイヤーが存在する確率は2人のテーブルと10人のテーブル、多いのはどちら?という話です。
カードはランダムに配られるものですから、当然人数が多いほうが、強いハンドが存在する可能性は高くなります。
人数が少ない場合は参加の敷居を下げ、多い場合は上げましょう。
ヘッズアップの場合、J8oでも勝負できます。ヘッズアップの場合、2枚のホールカードのランクの合計が14(T4oなど)を超えればレイズから入る、という基準が存在するぐらい、ルースに、アグレッシブにプレイするべきだという意見もあります。
もちろん何人テーブルの場合でも相手がAAの可能性はありますが、要は可能性の問題です。
10人プレイでポジションはUTG、手札がJ9o、こんなものは即フォールドです。でもBTNなら、それまでにレイザーがいなければリンプインしてもいいかもしれません。自分までフォールドばかりであれば、レイズしてSBとBBを降ろしてスチールしてもいいかもしれません。
このように、フォールドするプレイヤーが多い、レイザーがいない、という情報はBTNでなければ先には知りえない情報です。
最初のほうでアクションをしなければいけない場合、自分の後に強いハンドを持ったプレイヤーがいるかもしれない、というリスクを負わなければなりません。
そういう意味でも、BTNは非常に有利といえます。
アーリーポジションが不利な例
UTG
6人でブラインド1-2ドルのテーブルで、UTGのあなたにが来たとします。そこそこいいハンドなのコール(リンプイン)すると、ミドルポジションのタイトなプレイヤーが6ドルにレイズしてきました。SB、BBはフォールド。すでに2ドル出してるのでもったいないと思いあなたはコールしました。
相手はKKで最終的に負けてしまいました。もし、ミドルポジションより後にアクションできていたとしたら、レイズされた6ドルにでコールしてましたか?たぶん降りてましたよね。
たとえ最初のレイズに対しフォールドしていたとしても、リンプで出した2ドルを捨てることになります。
SB(スモールブラインド)
SBのあなたまで全員リンプインしてきたのであなたもでリンプインしました、BBはチェック。
全員がリンプインするファミリーポットという状態です。
フロップ:
SBのあなたからアクションですがボトムヒットです。ヒットしたのでベットしたいところですが、後ろにアクションをひかえたプレイヤーが多いため、KやTにヒットしたプレイヤーがいるかどうか心配です。
そこを強気にベットしたとします。するとあなたの後でBTNがレイズしてきました。あなたはフォールドするかボトムヒットという微妙なハンドでプレイを続けるか判断を迫られます。
通常、このレイズにはコールできません。
BB(ビッグブラインド)
そもそも強制的にブラインドを支払わせられるポジションなので損です。いいスターティングハンドがくればいいですが、フロップ以降は最初の方にアクションを求められます。
ハンドにがきていても、事前にレイズ、リレイズといった激しいアクションがあった場合、戦えるハンドではありません。
レイトポジションが有利な例
BTN(ディーラーボタン)
全員のアクションを見てからあなたはアクションするので、戦略がたてやすいです。
ブラインド1-2ドルの6人テーブルでBTNのあなたまで全員リンプインしたので、あなたもでリンプインし、ファミリーポット(全員リンプイン)になったとします。(本来レイズすべきです。)
ポットは$12です。
フロップ:
あなたは9のミドルペア(3枚のフロップの真ん中のランクでペア)ができました。
SBチェック⇒BBベット5ドル⇒UTGレイズ15ドル⇒あなたまで全員フォールド
さてあなたの番です。ペアはできていますがどうしましょう。UTGはトップヒットか、2ペアができている気配がします。このままいってもストレートもフラッシュもできなさそうだし、フォールドします。
SBフォールド⇒BBコール
結果、UTGはT3を持っており2ペアで勝利。BBは98を持っており、9のペアで勝負にいったようです。このように、後にアクションできるため、危険を回避できました。
CO(カットオフ)
ブラインド1-2ドルの9人テーブルで、あなたのハンドはです。COのあなたまでミドルポジションの一人がリンプインし、他は全員フォールドしました。BTN、SB、BBはこれまでタイトな印象なため、スチールを狙います。
あなたレイズメイク8ドル→MP1まで全員フォールドし、MP1のみコール
ポットは19ドルになりました。
フロップ:
MP1チェック
MP1は弱気のアクションです。あなたはミドルヒットでAも落ちています。あなたはプリフロップでレイズしているので、Aを持っていると主張できます。
あなたベット12ドル→MP1フォールド
スチールは失敗しましたが、というあまり強くはないハンドこの勝利は十分ではないでしょうか。
プリフロップであなたまでレイザーがいなかったこと、あなたの後にアクションできるプレイヤーが3人しかおらず、その3名はタイトだということ、フロップでの相手(MP1)の弱気のアクションを先に見ることができたこと。すべてはポジションがあったおかげで得られた情報で、COという良いポジションがあったおかげで勝利できたと言えます。
まとめ
ポジションがいい、とは一言で言うと、
「相手の後にアクションできること」
です。
プリフロップではBBが一番最後にアクションできるのでBB有利といえますが、フロップ以降、最初にアクションしなければならず、結果的には不利です。やはりBTNが一番有利です。
BTNまでの全員のアクションと、あなたのハンドを比較して、どのアクションがベストか選ばせてくれるのです。
あなたまで全員チェックしてきたら、大きくベットしてスチールするもよし。
誰かが小さくベットしてきたら、自分のハンドと比較し、フォルドするもコールするも、レイズするも自由です。仮にレイズにコールされても、フロップ以降も最後にアクションできるので、有利なことに変わりありません。
最初にアクションするということは、たとえいいハンドが入ってベットしたとしても、その後誰かにレイズされるかもしれないですし、オールインされる可能性もあります。
相手はあなたの「ベット」という強気のアクションを見て、さらに強気のレイズをしてくるのです。
あなたは悩みます「相手のほうがハンドがよいのかも、でも自分のハンドもそこそこ戦える・・・しかしフロップ以降は先に自分がアクションしなければいけないから不利だ・・・どうしよう・・・」
ポジションがよければ、こんな悩みは持たなくてすみます。
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