テル(癖)

テル(癖)や、それを見ぬくスキルは、特にライブポーカーにおいて重視すべき技術です。

テルとは、目をきょろきょろさせるような身体的な動作から、ドローで必ずベットする、といったプレイの癖も含めてテルと言います。

広義では「参加率が高い」「3bet率が高い」というのもテルと言えますがこれはどちらかというとプレイスタイルと言えます。

このページでは特にライブポーカーで見られるテルについて記載します。

テルというのは非常に様々で、一概にこのテルは何を示すか、というのは断定できませんが、よくみられるテルとその傾向について書いてみたいと思います。

アクションまでの速度

即コールしたのか、考えてからコールするのか、というアクションを行うまでの時間です。

即コールというのは一見強気に見えますが、本当に強かったら強いことをわざわざアピールするでしょうか?逆にじっくり考えてコールすると、あまり強くなさそうに見えますが、わざわざ強くないという情報を相手に渡すでしょうか?

一般的には即コールはあまり強くないことの表れと言われています。2オーバーやドローなどでコールしている場合です。それがバレるとまずいので、反射的にすぐにコールしてしまうのです。

もちろん素直なプレイヤーが素直にアクションを行ってる可能性もあります。強いから即コール、弱いから考えてコールです。

もしこうしたテルが対戦相手にばれると、非常に不利なゲームとなります。

上級者は、強いのにも関わらずあえて強いことを示すようにクイックコールしたりします。ドローに見えるので、相手がベットしてきてポットが膨らみやすいことを狙っています。また、即コールには「降りないぞ」という意思表示をしていることもあります。

このようにアクションの速度で相手が有利になる情報を与えてしまっていたり、わざと行なっていろいろな駆け引きが行われていますが、このような駆け引きに自信がない人は、フォールド以外のどのようなアクションも、全てある程度一定時間考えてから行うのがよいでしょう。

弱い時だけ非常に考えこんでしまうと、それがテルとなり相手に弱いことが悟られてしまいます。

強い場合も同様に考える時間を持つことで、強いのか弱いのか悟られないようにします。
ただし、毎回考えすぎて時間の使いすぎには注意しましょう。

カードをしぼる

しぼるというのはこの場合、1枚開いて後ろに隠れたカードをちょっとずつ見えるようにずらしていくような行為のことを指します。バカラでよく行われていますね。よいハンドがくるまで待つ、という意味の絞るとは別です。

よくあるのが、1枚目がAやKだったときに、2枚目にもAやKがきてAA、KK、になることを期待してゆっくり絞る行為です。毎回同じ絞り方をしているのなら問題ないですが、Aがあるときだけ絞ったりしていると、Aがあることをアピールしているようなものです。

しぼるのが好きな人は、1枚目がなんであれ、同じように絞りましょう。ポケットの可能性もあるわけですからね。

カードを見た時の反応

配られたホールカードを見た瞬間は感情が出やすいタイミングだと言えます。

カードを見た瞬間にAAが見えて顔がこわばって息を飲み込む、という挙動を他のプレイヤーが見ていて、もしそれが強いハンドの時に毎回顕著に出るのであれば、せっかくのプレミアハンドに相手が参加してこなくなったりします。

逆にBBで配られたカードをすぐに見て、23oが見えてため息混じりに「もうこのハンドに興味はない」という表情をすると、ハンドが弱い(であろう)ことに漬け込んでスチールをしてくるプレイヤーが出てきます。

こうしたハンドを見たときに出てくる感情や挙動は意識することでかなり改善されますが、AAを見た時と52oを見たときにまったく同じメンタルでいるというのは意識していても難しいものです。

自分では表情に出していないと思っていても、それを見抜いてくるのが上手いプレイヤーです。

対策としては、サングラスなどをかけて表情をできるだけ隠すこと。これは自分の目の動きを相手に見られないことと、さらに自分が相手を観察するのにも適しています。相手の表情や美人プレイヤーを見つめてもばれません。

また、自分のハンドを自分のアクションの順番がくるまで見ないのも一つの方法です。見ないのですから表情に出ることもありません。

「ワタシの表情を見てもなんの情報にもならないよ」というのをアピールするために、カードが配られた瞬間にカードガードをハンドの上に置いて待つプレイヤーもいます。

ただし、自分の番がきてからよっこらせとカードを確認してじっくり考えてフォールド、というのを毎回していると、時間を浪費するプレイヤーとして煙たがられる可能性もあるため、自分の二人手前のプレイヤーがアクションをするタイミングでカードを確認するようにしましょう。タイムロスが少なくてすみます。

急にチップを持つ・触る・いじる

配られた2枚のホールカードを確認して、急にチップを触りだす人がいます。無意識かもしれませんが、ほとんどの場合良いハンドでこのテルが現れます。ベットしたい気持ちが先に挙動に現れているのです。スチールしようと思っていたら、後ろでアクションを控えているプレイヤーにこのテルを発見した場合、コールされたりリレイズされる可能性があるため、マージナルハンドでのスチールはやめたほうがいいでしょう。

ベットサイズ

ベットする額が、弱いときと強い時で明確に違うこともテルと言えます。AKでプリフロレイズインから、フロップヒットした場合のCBはポットの7割、外した場合のCBはハーフポット、などです。外した場合にも7割うったり、ヒットした場合にハーフなどミックスアップするか、どちらも同じように一律7割打つ、など対策しないと相手にヒットしたか外したかあっさりばれます。

しゃべるor黙る

良いハンドが入ると急に饒舌になるプレイヤー、良いハンドが入ると急に黙りこくるプレイヤー、それだけで相手にハンドの強さをアピールしていることになります。プリフロップでAAが入っても、ターンでフルハウスになっても、それまでと変わらぬペースで会話しましょう。

首をかしげる

フロップでオリジナルレイザーがCBを打ち、他のプレイヤーがそれにコールした場合にオリジナルレイザーがよくこのテルを行います。

「ん?どんなハンドでコールしてるの?なんでコールできるの?(こっちは強いのに)」

というニュアンスです。大事なのは()の中です。「こちらは強いからコールしてくれてもいっこうにかまわないよ」という意思表示に近いものですが、これはオリジナルレイザーのハンドがそれほど強くないことが多いです。自分の弱さを隠すために現れるテルと言えます。

通常トップセットなどのナッツ級のハンドを持っている場合、それを悟られないよう、このようなテルを出さないように注意するものです。ただし、オーバーペアや、トップヒットぐらいであれば、このようなテルを出すことも多々あります。こっちはそこそこ強いぞ、というアピールをすることで、2オーバーや、ガットショットを引きにくるプレイヤーに降りてほしいのです。

ハンドの再確認

フロップが開いて自分のハンドをもう一度見直して確認するような行為です。

ストレートができたかどうか、フラッシュ目があるかどうか、など、複雑なボードの時に自分のハンドを確認したくなることが多々あります。

フロップでヒットせずに外した時に、もう自分のハンドに興味がないような素振りをしていると、それだけでベットして降ろしにくるプレイヤーもいます。このようなテルを隠すにはどのようなハンドでも毎回確認することです。小技として、ストレート目のあるボードで、まったくストレートなど関係ないのに、目で順番にボードのカードを見て、いかにも「4567・・・」とストレートを確認しているように見せたりもできますが、だいぶいやらしい小芝居です(笑)

ターンでの素早いベット

ターンでの素早いベットやレイズは強いことを表しますが、ターンで落ちたカードは関係なく強い(フロップトップヒットは2ペアなど)場合がほとんどです。例えばターンで3枚目のスーツが落ちたのにも関わらず素早くベットした場合、フラッシュではない可能性が高いと言えます。逆にターンでじっくり考えてベットしたりレイズする場合は、そのカードが助けになっている(フラッシュやストレートを完成させた)可能性があります。ただし、上級者はフラッシュを引いても素早いベットをしたりします。

ベットする素振りを見せてチェック

チップをもってベットするように見せかけてからのチェックは、ほとんどの場合マージナルハンドです。モンスターハンドを持っていながら打ちそうになってやめる、などという間抜けな動作をするプレイヤーがいるでしょうか?モンスターハンドを持ってスロープレイをする場合、できるだけ平然と、興奮を表に出すこと無くチェックするでしょう。

打ちそうになってやめる、というテルを見つけた場合、弱いと言っているようなものですから、気にとめずにベットすべきです。

逆に言うと、モンスターハンドを持ってこれをすれば、ほとんどのプレイヤーから「モンスターハンドは持っていない」と思われます。それを利用するのも手です。しかし小芝居をした、というレッテルを貼られることにもなりますから、そういうのを気にしない人だけやってみましょう。

まとめ

有名なテルに関する法則に「強さとは弱さを意味し、弱さとは強さを意味する」というものがあります。強そうに見えるテルは弱さを表し、弱そうに見えるテルは強さを表すというものです。

ポーカーとは相手に実際とは逆のイメージを与えることで利益を得ることができますから、当然の法則ともいえます。

ただし、強うそうなベットや、レイズ、3ベット、4ベットを、単純にこの法則に当てはめて「弱い」と判断すると大怪我します。なぜなら素直に強いから強気のアクションをしている場合のほうが圧倒的に多いからです。

重要なのは、この法則に当てはまることを見抜くことです。

弱いから強気のアクションをしていると見抜くことであり、強いから弱気のアクションをしていると見抜くことです。

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