David Sklanskyが述べるポーカーの基本原則は、ポーカーの本質です。この考え方は必ず理解しておきましょう。
ポーカーの基本原則
「相手のハンドを全て見る事ができた場合に自分が取る行動と、実際に自分が取った行動が異なる時は相手が利益を得る。そして相手のハンドを全て見る事ができた場合に自分が取る行動と、実際に自分が取った行動が同じである場合は相手が損失を被る。
逆に自分のハンドを全て見る事ができた場合に相手が取る行動と、実際に相手が取った行動が異なる時は自分が利益を得る。そして自分のハンドを全て見る事ができた場合に相手が取る行動と、実際に相手が取った行動が同じである場合は自分が損失を被る。」
これがDavid Sklanskyの提唱するポーカーの基本原則です。
簡単に言うと
「あなたが相手のハンドを見えている時に取る行動を間違いなく行えればあなたは利益を得る」
「相手があなたのハンドを見えてる時に取る行動とは逆のことさせればあなたは利益を得る」
という意味になります。わかりやすく例にします。
例1 自分も強いが負けている状況
全員50BB持ちで6人のテーブル、あなたはBTNでAAが配られました。MPがKKで3BBにレイズ、あなたまで全員フォールドし、あなたは9BBにリレイズ、SBとBBはフォールドし、MPはコールしました。
フロップ:K98
MPチェック
MPはKKを持っており、トップセットを完成させています。もしあなたが、相手のハンドがKKだと知りえたら、あなたはどうしますか?
現状相手がベストハンドを持っていますが、相手はチェックしているので、あなたはターンをただで見ることができます。もしターンでAが落ちたら大きな利益を生むことができますから、Aが落ちてベストハンドになることを願ってチェックするでしょう。
しかし実際にはあなたは相手のハンドは見えません。多くのプレイヤーはAAでここでベットするでしょう。
もしここでベットしたら、MPがKのセットを降りることはあり得ないですから、コールによるスロープレイや、リレイズやオールインが飛んできてしまい、難しい判断を迫られます。
これは
「あなたが相手のハンドが見えている時に取る行動を間違いなく行えればあなたは利益を得る」
という原則と違い、見えている場合はチェックなのに、反対にベットしているため、あなたは利益を失うのです。
例2 ナッツを持っている
全員50BB持ちで6人のテーブル、あなたはBBで78が配られました。BTNが4のポケットペアでリンプインし、他は全員フォールドしました。あなたはコールします。
フロップ:569レインボー
そしてあなたのアクションです。
もし相手があなたのハンドが見えていて、フロップナッツストレートだとわかっていたら、4のポケットではほぼ勝ち目はないと悟り、あなたがベットしたら相手は即座にフォールドしてしまうでしょう。
「相手があなたのハンドを見えてる時に取る行動とは逆のことさせればあなたは利益を得る」
という原則がありますから、ここでは、相手にコール、ベット、レイズさせることができればあなたは利益を得ることができます。よって、これは相手次第ですが
- あなたがベットしたとして、コールしてくるような相手ならベットする。
- あなたがベットしたとして、レイズしてくるような相手ならベットする。
- あなたがベットしたとして、フォールドするようなプレイヤーならチェックする。
- あなたがチェックしたとして、ベットしてくるような相手ならチェックする。
- あなたがチェックしたとして、チェックしてくるような相手ならチェックする。
ということになります。
とにかく相手が1ドルでも多くチップをポットに投入するシナリオを考えないといけません。チェックチェックで相手に1枚のフリーカードを与えても、何が落ちてもあなたのハンドはまだナッツです。あなたが注意しないといけないのは、バックドアフラッシュとフルハウスです(もちろんクワッズも)。
相手がアグレッシブでブラフもばんばんするプレイヤーならベット、タイトなプレイヤーならチェック、というのがよいと思われます。
また、相手のハンドが見えていても決断が難しい場合もあります。
例3 負けているが逆転の可能性もある
全員50BB持ちで6人のテーブル、あなたはCOでTJsが配られました。あなたまでフォールドし、あなたはリンプイン、BBのみQ2でコールしました。
フロップ:KQ3
BBベット2BB
そして、あなたのアクションです。
あなたがもしBBのハンドが見れているとしたら、あなたの最適なアクションはなんでしょうか、相手はQのセカンドヒットですから、レイズしてKヒットを主張して降ろしにいくのでもよいですし、コールしてオープンエンドを引きにいってもよいかもしれません。
逆に相手があなたのハンドを見れているとした場合、あなたがレイズしても相手は、オープンエンドのオッズに合わない大きなリレイズをしてきます。Qヒットは現状ベストハンドなのです。降りることはありえません。また、あなたがストレートを引いても、相手はあなたのハンドが見えていますから、それ以上チップをポットに入れることはないでしょう。つまりインプライドオッズがありません。
この状況でのベストなシナリオは
- あなたはレイズし、相手のベストハンドを降ろすこと
- ストレートを完成させ、相手からできる限りチップを引き出すこと
このどちらかになります。
ベストハンドを持つプレイヤーがプッシュしてきた場合、あなたはブラフして降ろすか、逆転するかのどちらかしかポットを獲得することはできません。
これはもう相手のプレイの傾向、あなたのテーブルイメージなどを総合して、どちらがよいか判断するしかありません。
ストレートを完成しても、相手からチップを引き出すことができないのであればフォールドでもよいですし、レイズに対してセカンドヒットを降りるようなタイトなプレイヤーであればレイズして降ろしにいってもいいでしょう。
まとめ
「あなたが相手のハンドを見えている時に取る行動を間違いなく行えればあなたは利益を得る」という原則に近づくためには、相手のハンドを読まなければなりません。完全に特定することはほぼ不可能ですから、相手のハンドレンジをある程度まで絞ることで、できるだけ見えている状況に近づけます。
また、「相手があなたのハンドを見えてる時に取る行動とは逆のことさせればあなたは利益を得る」という原則に近づくためには、相手に自分のハンドを間違ったものに見せなければなりません。ベストハンドを弱そうに、弱そうなハンドを強そうに見せることで、相手はあなたのハンドが見えていた場合と逆のアクションをします。
注意しなければならないのは、相手のハンドをまったく見ないプレイヤーもいるということです。相手のハンドがなんであるかに関係なく、自分のハンドの強さとポットの大きさだけでプレイするような初心者です。こういった、ハンドがよければ降りないプレイヤーにはブラフは禁物です。
ボードがいかにストレート目があっても2ペアを降りません。同じスーツが3枚出ていても2ペアを降りません。
こういった相手には、純粋に相手よりも上位のハンドを作って、降りれない習性を活かして稼がせてもらいましょう。
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