この記事はshimadaさんの高速道路とけものみちに投稿されたSPR記事を見て、これはすごいと感銘を受けて自分なりに、わかりやすくなるように作成した記事です。まずは元記事を読んでいただくことをおすすめします。(コメント欄まで見てください。)
スタックサイズの重要性とは
スタックサイズがプレイに影響を与えることは周知のことですが、ほとんどの人は
- ビッグスタックである
- ミドルスタックである
- ショートスタックである
という単純な基準だけで考えてる人も多いと思います。
例
- 自分がショートスタックでプリフロップオールインを考えているが、自分よりも後ろにまだアクションをしていないビッグスタックがいるとオールインがしにくい(簡単にコールされる可能性が高い)
- 自分がビッグスタックで、相手の「ビッグスタックとぶつかりたくない」という感情を利用し、スチールの頻度をあげる
といった考え方です。こうした感覚はそれほど意識しなくても身につくものですが、スタックサイズというのは正しいプレイをするためのさらに多くの情報を与えてくれます。
エフェクティブスタック(Effective Stack)
直訳すると効果的なスタックという意味になります。50BB持ちのプレイヤーと100BB持ちのプレイヤーが対峙した場合、ポットに入るのは最大でも50BBまでなので、この場合エフェクティブスタックは50BBと言えます。
あなたが80BB持ちで、50BB持ちのプレイヤーと対峙した場合、最大で50BBの利益か損害が出る、と判断することができます。つまり最悪でも30BBは残ることになります。
あなたが80BB持ちで、Aさん:50BB持ちのプレイヤーとBさん:30BB持ちのプレイヤーの2名と対峙した場合。あなたはAさんに対してのエフェクティブスタックは50BB、Bさんに対してのエフェクティブスタックは30BBとなります。
SPR(Stack to Pot Ratios)
直訳すると、ポットとスタックの比となります。エフェクティブスタックと、現在のポットサイズの比とも言えます。
例えば2名がプリフロップでチップを出しており。SPRを計算する場合
- ポット15ドル
- Aのスタック90ドル
- Bのスタック150ドル
このの場合、少ない方の90ドルをポットで割り、式は90÷15=6となり、このシチュエーションではSPR=6となります。ポットの6倍が有効チップ数になる、という意味合いです。
SPRは簡単に言うと、フロップ以降のコミットプランを正しく判断する材料となります。
コミットとは
コミットという言葉がポーカーをしていると頻繁にでてきますが、コミットするという言葉の意味を再度確認します。
コミットするとは、一言で言うと
「全チップを賭けても期待値プラスになると判断する、もしくはそのような状況になること」
となります。ちょっとわかりにくいですね。決してその場でオールインすることが期待値プラス、といっているわけではありません。
降りないと決定し、この先何があろうと全チップを賭ける覚悟でいたほうが期待値プラスになる、という意味です。(例外はあります)
よくあるのが、負けている可能性がそれなりに高いが、オッズがあまりにも良いため、降りることができない状況などです。
例えばBTNで77を持っており、フロップT65、ターン3、ここまでルースなプレイヤーと打ち合っており、ポットは20BBまで膨らんでいて、あなたの残りスタックは4BBになっています。リバーにAが落ちて、相手が4BBのオールイン要求をしてきました。相手にTかA、もしくは上のポケットを持たれていれば負けですが、相手はルースなので、ブラフや6、5ヒットの可能性も高い状態で、オッズ7倍というのはフォールドよりもコールしたほうがが期待値プラスになりやすいのです。
7回に1回勝てばオッズ的には良いため、それ以上の確率で勝っていると判断できるのであれば、コールが合理的となります。77というミドルポケットは、相手がルースなプレイヤーであれば14%以上の勝率はあるでしょう。
つまり、上の例で言うと、ターンの時点でリバーに何が落ちようとオールインすることが決まっているため、ターンの時点でコミットしている(降りないと決める)と言えます。
もしリバーで相手がチェックしてきた場合、コミットしているからと言ってオールインすべきかというとそうではありません。勝っているか負けているが微妙なので、チェックショウダウンしても間違いではありません。
他の例で、例えばお互い30BB持ちであなたがAAを持っており、覚えて間もないスーパーフィッシュがプリフロップでコールした場合。極端な例ですがあなたはこの時点でコミットすることが期待値プラスとなります。
スーパーフィッシュなので、どんなクソハンドでもリバーまでコールし続ける可能性があるため、あなたは機械的にベットしていくだけで期待値はプラスです。
あなたはプリフロップでコミットしているので、フロップやターンで相手がレイズやオールインで抵抗してきても、あなたはコールなりレイズして決して降りません。コミットするとはそういうことです。
しかし相手が優秀なプレイヤーだった場合プリフロップでコミットするのは危険です。それはあなたよりも弱いハンドの場合は降りられ、あなたを負かすような2ペア以上のハンドの時には抵抗してくることが予想されるため、プリフロップでコミットしてしまうと、相手のハンドが強い時だけまんまと喰われてしまうのです。ボードの気配を読みとり、慎重にプレイしたほうが長期的に期待値プラスとなります。
コミットすることのメリットは、(判断を間違わなければ)数学的に正しいプレイを行え、判断に迷わずにすむことです。
SPRによって変わるコミットプラン
SPRが低いということは、その時点から発生する利益も損害も少ないことを意味し、SPRが高いと利益も損害も大きくなることになります。
例えば
- ポット10ドル
- Aのスタック90ドル
- Bのスタック160ドル
の場合、SPRをは9となり、AにとってもBにとっても、この時点から発生する利益と損害は最大でも90ドルであることがわかります。
AがオールインしBがコール、BがオールインしAがコール、どちらにしろ、勝ったほうが90ドルの利益とポットを得て、負けたほうはポットと90ドルを失います。文章にすると
「10ドルのポットを取るために、ここからさらに最大90ドルの利益か損害が出る勝負になる」
ということがわかります。この例では、スタックに対してポットサイズはそれほど大きくないので、プリフロップの時点ではお互いまだコミットしているとは言い切れません。フロップ以降によって、攻めるか降りるかという判断を行う余裕があります。
これが
- ポット10ドル
- Aのスタック10ドル
- Bのスタック50ドル
の場合、SPRは1となり、非常に低い数値となります。この場合
「10ドルのポットを取るために、ここからさらに最大10ドルの利益か損害が出る勝負になる」
となり、10ドルを取るために最悪10ドルの損害にしかならない(オッズは3倍)のであれば、シビアな勝負でもオールインすることが合理的となります。オッズ的には33%の勝率でもよいことになります。この例の場合、プリフロップの時点でお互いコミットしていると言えます。フロップで何が開こうとチップを全て投入する価値があるのです。
では
- ポット10ドル
- Aのスタック300ドル
- Bのスタック500ドル
だった場合、SPRは30と非常に高い数値となり、ここから発生する最大の利益も損害も非常に大きくなります。文章にすると
「10ドルのポットを取るために、ここからさらに最大300ドルの利益か損害が出る勝負になる」
となります。ディープスタックトーナメントの序盤はこのような状況であることがほとんどです。
この場合、プリフロップでコミットし、10ドルのポットをとるためにフロップで300ドルのオールインをする、もしくはオールインにコールする、というプレイはなかなか正当化されません。もちろんそのようなことをするプレイヤーはあまりいないと思いますから、フロップ以降のプレイによってポットサイズというのは小さくも大きくもなり得ます。要はお互いコミットしてしまうまでの距離が長いため、あらゆる技術を使う余裕があるということになります。
SPRが非常に低い(1~4)
お互いすでにコミットしているか、フロップ以降すぐにコミットしてしまいます。
よってワンペアやミドルポケットなどのマージナルハンドでもオールインまでいきやすくなります。
2ペア以上でないとアグレッシブに攻めないようなタイトなプレイヤーでも、SPRが低いとワンペアでオールインしやすくなります。また、SPRが低いと、インプライトオッズも低いので、セットマイニング(セットを狙いにいく)やドローハンドでのこの状況になること自体が期待値マイナスとなります。
仮にあなたがKKを持っており、このSPRなのでプリフロップでコミットし、相手にセットを引かれて負けたとしても、相手の利益はセットを引く確率に比べて見返りが小さく、相手が引けずにあなたが得る利益のほうが十分に多いということです。
TIPS セットの確率と利益
フロップでセットになる確率は9回に1回しかありません。つまり9回のうち8回はセットにならず、ハンドを捨てざるを得ない状況になりやすいので、セットを引いた場合にはその損失分を補うために投資額(プリフロップでのベット額)の7~9倍の利益(インプライドオッズ)が必要になります。
例
8名のテーブルでブラインドは1-2ドル。タイトなEP2(B)がリンプイン、あなた(A)はBTNでKKを手にしました。標準的な3倍レイズで6ドルにレイズ、するとBがコールしました。ポットは15ドル、あなたのスタックは90ドル、Bのスタックは45ドル、よって現在のSPRは3です。
あなたは現状ハンドはまず間違いなく勝っていると考えています。
仮にBが55で入ってきている場合、勝率はKKが79.6%、55が20.0%で、5回に1回はセットなどハンドを作られて負けてしまいますが4回は勝利します。
Bは55という低いポケットですが、ポットの大きさがBのスタックと比較すると大きいこと、あなたがAT~AKといったハンドの可能性もあることから、「コミットしてしまってもいい」と考えています。
このことから、フロップにどのようなカードが開こうとも、お互い45ドルのチップを出すことになりやすいのです。
SPRがそれなりに高い(11~13)
SPRがそれなりに高いということは、プレイヤーにとってインプライドオッズが高いことを意味し、かつコミットするタイミングもそう遠くありません。
例えばあなたがビッグペアを持っていてレイズした場合、相手はスモールペアやスーテッドコネクターなどの投機的なハンドで、レイズに対し引きにいくコールが合理的となります。
引いたらチップを積極的にポットに投入し、引けなければフォールド、というシンプルで合理的なプレイを行いやすくなり、相手がタイトで優秀なプレイヤーであれば、あなたのQQ~AAやTPTKによってバリューを最大限に引き出すのが難しくなります。
つまり、相手は2ペア以上の、あなたのビッグペアを負かすような(引いた)ハンドの時は抵抗を示し、それ以外のミドルペアなどのマージナルハンドではサクっと降りてしまうのです。
大きく稼げるのは、相手がモンスタードローで突っ込んでくる場合(結果的に相手が引けない)や、相手がセットになり、こちらもオーバーセットになるなど、非常に限られたシチュエーションのみになります。
また、ブラフオールインによってあなたを降ろすだけの十分なチップ量があるため、ボード次第ではブラフされやすいSPRとも言えます。
さらに、SPR11~13というのは、SPRが高すぎるわけではないため、相手にセットを引かれたとしてもあなたはコールしてしまう可能性も高いのです。
例
8名のテーブルでブラインドは1-2ドル。タイトなEP2(B)がリンプイン、あなた(A)はBTNでKKを手にしました。標準的な3倍レイズで6ドルにレイズ、するとBがコールしました。ポットは15ドル、あなたのスタックは260ドル、Bのスタックは180ドル、よって現在のSPRは12です。
あなたは現状ハンドはまず間違いなく勝っていると考えています。
しかし相手が優秀なプレイヤーでSPRが12とそれなりに高い場合、あなたのKKを打ち負かす2ペア以上のハンドを手にした時だけチップを積極的ポットのい入れてきますが、引けなかった場合は降りてしまいます。
上記のフロップ以降の例
フロップ:(ポット15ドル)
あなたはオーバーポケットを持っており、現状勝っていると判断し、標準的なCBを打ちます。
Bはチェック→あなたベット10ドル→Bはコール(ポットは35ドルに)
ターン:
フロップでコールされましたが、あなたは依然としてオーバーポケットを持っていて勝っていると判断し、バリューベットを打ちます。
相手チェック→あなたベット30ドル→Bはコール(ポットは95ドルに)
Bはまたしてもコールしてきました。セットなのか、ドローなのか、9のトップヒットなのか判断がつきません。この時点であなたのスタック残り220ドル、Bは残り140ドルになっています。
リバー:
ボードペアになったため、相手のT9のような2ペアには勝っていそうです。
Bオールイン140ドル→あなたの番です(ポットは295ドル)
(げぇ!オールインしてきやがった!まさか2は持ってないだろう、フラッシュなのか?それともブラフ?)
あなたはあと140ドルを出して435ドルのポット(オッズ3.1倍)を取りにいくか、降りるかの2択をせまられます。
非常に難しい局面です。降りる人もいればコールする人もいるでしょう。
SPRがやや低い(5~9)
SPRがやや低い場合、非常にタイトなプレイヤー相手にプリフロップでコミットしてしまうのは危険ですが、フロップ以降の状況次第で、フィッシュやルースな相手にコミットしても期待値プラスとなる場合があります。
例
8名のテーブルでブラインドは1-2ドル。ルースなフィッシュ(B)がEP2からリンプイン、あなた(A)はBTNでKKを手にしました。SPRを低くするため、あなたは通常よりも大きめの5倍の10ドルにレイズ、するとBがコールしました。ポットは23ドル、あなたのスタックは256ドル、BTNのスタックは176ドル、よって、現在のSPRは7.6です。
フロップ:(ポット23ドル)
あなたはオーバーポケットを持っており、現状勝っていると判断し、標準的なCBを打ちます。
Bはチェック→あなたベット15ドル→Bはコール(ポットは53ドルに)
ターン:
フロップでコールされましたが、SPR7.6という数値であること、相手はフィッシュであること、あなたは依然としてオーバーポケットを持っていて勝っていると判断していることなどから、あなたはコミットしても良いよいと考えバリューベットを打ちます。
相手チェック→あなたベット40ドル→Bはコール(ポットは133ドルに)
Bはまたしてもコールしてきました。セットなのか、ドローなのか、9のトップヒットなのか判断がつきません。この時点であなたのスタック残り201ドル、Bは残り85ドルになっています。しかしあなたは既にコミットしているため、リバーで何が落ちようと降りる気はありません。
リバー:
ボードペアになったため、相手のT9のような2ペアには勝っていそうです。
Bオールイン123ドル→あなたコール(ポット375ドル)
このように、SPRが5~9の場合とSPRが11~13の場合、違いはプリフロップでのレイズ額だけです。勝敗の結果は変わりません。しかしフロップ以降、コミットすることが合理的となる判断を下す助けになり、数学的に期待値プラスとなるプレイをさせてくれるのがSPRなのです。
今回は、相手にセットを引かれた例(フロップで5が落ちる)を書いているのでコールすることがミスプレイのように見えていますが、実際には、相手がQJのオープンエンドを外したブラフオールイン、Tヒット、9ヒット、T9の2ペア、JJ~QQなどのポケットなど、あなたが勝っているシチュエーションも多く存在するのです。
ターゲットSPR
特定のプレイヤーに対して、特定の条件で、コミットしてしまうことが期待値プラスとなるSPRのことです。
あなたがQQ~AAなどのビッグペアを持っており、特定のプレイヤーとヘッズアップになったとします。
例
あなたは6人テーブルのUTGからAAで3倍レイズ、BTNのみコールしました。
BTNが非常にタイトパッシブなロックだった場合
SPRが高ければ、2ペア以上のハンドでは抵抗を示し、ミドルヒットなどのマージナルハンドではサクっと降りてしまうため、SPRが10~13と比較的高い状態であなたがコミットするのは期待値マイナスとなります。あなたがオールインしてもコールされるのは相手が強い時だけなのです。
しかしSPRが3~4と低ければ、マージナルハンドでも相手がコミットしたと考えてオールインする可能性があるため、SPR4以下の場合、あなたはコミットすることで期待値はプラスとなります。つまりあなたがオールインしても、弱いハンドでコールする可能性が高いのです。
→ロック相手のターゲットSPRは4以下
BTNがタイトアグレッシブで優秀なプレイヤーだった場合
タイトアグレッシブで優秀なプレイヤーは、1ペアであってもTPGK(トップペアグッドキッカー)などでアグレッシブに攻めてきますし、時にはブラフも織りまぜてきます。しかし、あなたのオールインにコールする場合に、大きなリスク(高いSPR)を負ってマージナルハンドでコールするような愚かなプレイは中々しません。よってSPRが6~7で最も利益を出せます。
→タイトアグレ相手のターゲットSPRは7以下
BTNがルースなフィッシュだった場合
ルースなフィッシュは、マージナルハンドでも突っ込んでくる可能性が高いので、SPRが高くてもあなたはコミットしてしまって期待値はプラスとなります。あなたがオールインしても、相手がコールするハンドレンジが非常に広く、あなたよりも弱いハンドが多く入っているのです。
→フィッシュ相手のターゲットSPRは10以下
ここに記載したターゲットSPRはあくまでも例です。特定のプレイヤーに対する最適なターゲットSPRがいくつなのか、というのは状況に応じて判断しなければなりません。そして、そのSPRになるようにあなたはポットサイズを調整するのです。
SPRの値ごとの傾向まとめ
SPR1~2
コミットしています。降りることはほぼ無くオールインまでいきます。
こちらがQQ~AAなどのプレミアハンドで、このSPRで相手にコールさせるのが最も理想的な状況です。
ビッグペアを持ったら、あらゆるプレイヤーに対してSPRが1~2になるように調整できればベストです。
SPR3~4
ほぼコミットしています、ワンペアでもオールインまでいく可能性があります。
こちらがTPTKやオーバーペアで相手にコミットさせてオールインさせるのが理想的です。
セットを引きにいったり、スーテッドコネクターなどの投機的なハンドに対しても悪いオッズを与えているため、そのような投機的なハンドで参加させている時点であなたは利益を得ています。
たとえ相手にセットやフラッシュを引かれても、それであなたが失うチップ以上に利益を得る機会のほうが多いので、長期的に見て期待値プラスです。
SPR5~9
プリフロップでコミットしてしまうことはありませんが、フロップ以降にコミットすることがあります。
タイトで優秀なプレイヤーはTPGKなどで全チップを賭けてきたり、ブラフオールインをしてくる可能性がありますから、あなたがTPTKやオーバーペアを持っていれば、フロップ次第でコミットしてしまってもよいでしょう。ただし、超タイトなプレイヤーは、スモールポケットでセットが引けなければ「まだ戦えるだけスタックが残る」という理由で降りてしまうため、そのようなロック相手にはコミットするのは危険です。(つまりコールされるのはセットをひかれたりなど強い時だけ)
SPR10~13
セットを引きにいったり、スーテッドコネクターで入るのに適したSPRです。
よってスモールペアなどがあなたのレイズにコールしてくることになります。
この場合、相手がタイトで優秀なプレイヤーであれば、セットを引いた場合にはチップをポットに入れてきますが、引けなかった場合それ以上のチップを出すことなくフォールドしてしまいます。相手にとっては非常に合理的なプレイがしやすいのがこのSPRとなり、あなたのAK、AQによるTPTKや、JJ~AAで最大限のバリューを引き出すのが難しくなります。
さらに危険なのは、打ち合った時に相手のオールインにコールする誘惑にかられることです。SPRが高すぎるわけではないため、リバーの時点で自分もスタックの相当な割合のチップをポットに入れていることになり、且つ相手のオールインの額もそれほど大きくならないため、相手のオールインにコールしてもよいかな、と判断してしまうのです。
また、ブラフをするのに適したスタックサイズなため、優秀なプレイヤーにはボード次第でブラフされる可能性も高くなります。
SPR15~
SPRが非常に高いということは、中々全てのチップを賭けるという状況にはなりにくいため、SPR12前後に比べ、逆にTPTKやオーバーポケットで戦いやすくなります。
ブラフするにしてもSPRが非常に高い状態では、リスクも非常に高いので、ブラフオールインがしづらいのです。
例えば相手が常識的には考えられないような大きなレイズオールインをしてきた場合、あなたはベストハンドだと確信を持てる時にはコールし、それ以外はあっさり捨ててしまえます。相手にしてみれば、小さなポットをとるために、大きなリスクを負うことになるのです。
よって、お互いコミットせずに技術を駆使した戦いが繰り広げられ、あなたも合理的なプレイが可能となります。相手がセットだと思えば降りてしまいましょう。まだまだスタックはあります。
コメント 名前とメアドは必須ではありません
記事を取り上げていただきありがとうございます。
翻訳の元になった記事に間違いがあったので、ほぼオリジナルの記事を作るのに近い形で直さないといけないと思っていたのですが、こちらで本当にわかりやすく丁寧に解説していただけたので助かりました。
コミットプランの方も非常によい記事だと思います。
リンクを貼らせていただきました。
引き続き記事の充実を楽しみにしておりますのでよろしくお願い致します。
シマダさん
はじめまして!鮫肌と申します。コメントありがとうございます。
シマダさんのサイト、著書共に自分のポーカープレイのバイブルとして非常に参考にさせていただいています。
ポーカー道は、可能な限りテキサスホールデムの技術や情報を紹介していこうと思っているので、SPRの記事を拝見したときは眼から鱗でした。
今後もシマダさんのサイトにリンクを貼らせていただいたりすると思いますが、よろしくお願いいたします。
ちなみにリンク集ページには、だいぶ前から勝手にリンクを貼らせていただいておりますw
https://www.pokerdou.com/poker-link/#poker-blog
いつも参考にさせていただいています
各状況の例なのですがスタックについては反対ではないでしょうか?
それとも特殊な状況なのでしょうか?
なんども申し訳ありません
SPRについては、コミットプランを立てるためのものなのでしょうか
コミットしていない(するつもりのない)状況のプレイングの指標としてもつかえるのでしょうか
こんにちわ。上のコメントについてですが、どの部分を指しているかもう少し具体的に教えてください。頭の文章をコピペでOKです。
SPRとコミットプランについてですが、ノーリミットにおいてこちらがコミットするつもりがくても相手のベットによってコミットさせられることになります。なのでSPRとコミットプランというのは常に頭に入れておくべきです。
コミットプランをたてるためにSPRを考えるというよりは、SPRによって、コミットするまでの距離を測っておく、という考え方のほう正しいと思います。
仮に参加しているプレイヤーがSPRが30以上で非常に大きい場合は、なかなかコミットまでいきませんから、コミットプランは考えなくても良いかもしれませんが、ノーリミットの場合、こちらにコミットする意思がなくても相手のベット次第で状況は変わります。ですから、SPRは常に考えておくほうが良いと思いますよ。
申し訳ありません
スタックの件についてはおそらく私の勘違いです。
また、コミットまでの距離を測るというのはよくわかりました。
鮫肌さんのこの部分
「SPRによって、コミットするまでの距離を測っておく、という考え方のほう正しいと思います。」
と矛盾してしまうのですが、
KK,AAを引いた場合には
ブラインド10-20 こちらのポジションはBTNスタックが1500 相手がBBで1000なら
プリフロップで300~470のベットはSPR的には正しいことになるのでしょうか?(最もそれにコールしてくるのはAAくらいのものかもしれませんが・・・)
3BBの60程度のベットではセットマイニングやスーコネにまくられてしまうように感じます
あ、すみません
ターゲットSPRのとこにかいてありました
ありがとうございます
セットやスーテッドコネクターをプレイするのはSPRが3, 4の時はやめておいた方が良いとのことなのですが、これは何故なのでしょうか?
オッズ的に悪いためとあるのですが、計算しても3の時はオッズは悪いと分かるのですが、4の時は得でも損でもないという結果になります。
何かが間違っているのでしょうか?
Aがレイズして、Bがコールしたヘッズアップを想定します。Bはスーテッドコネクターです。Aの方がスタックは多いとします。
そして、ポッドが1ドルになったとします(計算がこうすると楽になるのでこうしてるだけです)。SPRが4の時、Bのスタックは4ドルです。
スーテッドコネクターが役になるのは1/10くらいの確率です。よって、10回に9回はフォールドになるでしょう。そうすると、
損益は 0.5×9 = 4.5 です。
利益はオールインまで行くと、 4.5 です。
よって、利益と損益は打ち消し合います。
なので、SPRが4の時にセットやスーテッドコネクターで相手に参加させている時点で損というのがピンときていません。
教えていただけると幸いです。
「スーテッドコネクターが役になるのは1/10くらいの確率です。」とありますが、それはあくまでもリバーまで見る前提です。フロップフラッシュやフロップストレートは合わせても2%くらいしかありません。https://www.pokerdou.com/reference/probability/
従って、期待値は4.5*0.02-0.5*0.98=-0.4となり損をします。しかも、これはフロップフラッシュやフロップストレートがある非常に危険なフロップで、それより弱い手を持った相手がオールインまで行くという極めて非現実的な前提に基づいていますので、実際はもっと期待値は低くなります。