ヘッズアップ

ヘッズアップとは、1対1の勝負のことです。

ポーカーは、3人のテーブルと2人のテーブルには大きな差があります。ヘッズアップと、それ以外ではまったく別のゲームになると言っても言い過ぎではないでしょう。

ヘッズアップのプレイ方法

まず、初心者が間違いやすいルール(プレイ方法)について説明します。

ヘッズアップになると、どちらかにBTNが置かれることになります。ブラインドはSBとBBがあるので、BTNがSB、もう片方がBBとなります。このBTNとSBが被るところがまず間違いやすいのです。

カードが配られる順番は、BTNが最後、というルールにのっとり、BBから配られます。これまでカードはSBから配られていたのに、ヘッズアップになるとBBから配られることに違和感を覚えるかもしれません。

アクションは通常ボタンが最後ですが、プリフロップのみ、BBにオプションが与えられますから、BTN(SB)⇒BBという順にアクション順になります。

このようにSBであるボBTNが最初にアクションし、BBが次のアクション(オプション)、フロップ以降は、BB⇒BTN(SB)という順でアクションを行います。覚えるまでは少しややこしいですね。

ヘッズアップはアグレッシブであれ

ヘッズアップになると、それまでとは違った別のゲームになると言われるほど、戦い方を変える必要がでてくる場合があります。

残り3人の場合、BTNであればブラインドを支払う必要がありませんが、ヘッズアップの場合毎回かならずSBかBBになるので、毎回ブラインドを支払う必要があります。トーナメントであれば、ヘッズアップになるころにはブラインドの額は相当大きなものになっているため、それまでのように微妙なハンドは全て捨てる、というハンド選びをじっくりする余裕はなくなります。

また、ヘッズアップであれば、相手が自分よりもよいハンドを持つ可能性は、3人(2人相手)の時に比べて半分になっています。つまり、自分のハンドが平均以上のハンドであれば、相手よりも自分のハンドの方が良い可能性は50%以上あることを意味します。

例えばQ6oというハンドが配られたとします。プレイヤーが10名いれば即捨てるようなハンドですが、3名でのプレイ(相手が2名)であれば、相手のどちらにもA、K、Q、ポケットが入っていなければ、あなたのハンドはQ1枚でベストハンドということになります。3名(相手が2人)の場合、相手2名のどちらかにA、K、Q、ポケットが入っている可能性はそれなりにありますが、ヘッズアップで相手が1人であれば、その可能性は2名の時に比べて低く(半分に)なります。

実際、Q6oというハンドは、169種類のハンドの全組み合わせの中で、ランダムハンド相手のヘッズアップでの勝率は81位に位置します。真ん中より若干上位ですね。つまり、相手があなたよりも弱いハンド(82位以下)を持つ可能性は、50%以上あるということです。

さらに、ヘッズアップであればポジション的に挟まれるという状況はないため、アクションを判断する際、「手前でベットが入ったが、後ろのプレイヤーがどういうアクションをするかわからない」という懸念要素が発生しなくなります。よって、ポジションは良いか悪いかの2種類しか存在しません。

このように、相手よりもハンドが良いか悪いか、相手よりもポジションが良いか悪いか、とシンプルな状況でプレイすることになります。

ポジションの良し悪しは誰の目にも明らかなことですが、ハンドの良し悪しは、自分のハンドのヘッズアップでのランクの高さがそのまま相手よりも強い確率になります。

AAであれば100%相手より強いですし、23oであれば100%弱いことになります。KKであれば99.4%相手よりも強く、42oであれば99.4%相手よりも弱くなります。ちょうど中間のQ3sであれば、50%の確率で相手よりも強く、50%の確率で相手よりも弱くなります。

このことから、BTN(SB)でポジションが良く、ハンドも比較的良いハンドがあれば、積極的にレイズインすることになります。

どれくらいアグレッシブに攻めるべきか?

Q8oで積極的にレイズするというプレイに抵抗がある人も多いと思います。タイトで手堅い人であれば、上位20%のハンドでのみレイズするようなプレイのほうがしっくりくるでしょう。つまり5回に1回の割合でレイズです。

ヘッズアップにおいてどれほどアグレッシブに攻めるべきかというのは、トーナメントであれリングゲームであれ、ブラインドとスタックの比率によってかわります。

スタック40000でブラインドが200-400であればBBを降りてもスタックの1%を失うだけですが、ブラインド3000-6000であれば、5回降りればスタックは全てなくなります。

そんな状況で5回に1回の割合でしかこない上位20%のハンドを待っている余裕はありません。

こうした切迫した状況では、Q3oやJ9oのような中程度のハンドでレイズしなくてはなりません。

当然、相手も同じようにK5oのようなハンドでレイズしてきますから、こちらにAToやポケットといったハンドが入っていれば、リレイズ(3be)も検討すべきです。

ヘッズアップでのハンドの価値

ヘッズアップでは多人数と比べて相手は一人なので、オッズ、インプライドオッズが著しく良くなることはありません。よって低めのスーテッドコネクターやスーテッドワンギャッパーといった投機的なハンドの価値は小さくなります。

ポケットは、ランクが低いポケットでもそれだけで有利となります。自分にポケットが入っており、相手にもポケットが入る確率は0.4%以下しかないため、ポケットが入った時点でベストハンドである可能性はかなり高い確率となります。よって、ポケットがきた時点で2のポケットや3のポケットでもアグレッシブに攻めることができます。

AxやKxもヘッズアップにおいて非常に有利なハンドです。ランダムハンドでフロップでヒット(ワンペア以上)する確率は3分の1しかないため、2名しかいないヘッズアップでは、お互いノーヒットということが多々あります。その際A、もしくはKがあると、ハイカード勝負で勝っている可能性が高くなりますから、AやKがハンドに入っていれば、キッカーがなんであれアグレッシブに攻めることができます。

一般的にはJがあればレイズ、2枚のホールカードのランクを足して14以上であればレイズ、という基準が存在するくらい、ヘッズアップではランクの高さが重要になります。

ヘッズアップではフロップがなかなか開かない

トーナメントでのファイナルテーブルでのヘッズアップにもなると、プリフロップで勝負が終わることが多くなり、なかなかフロップは開かないこともあります。BTN(SB)がレイズし、BBがフォールドするという流れが多くなります。

ブラインドが非常に上がっている状況では、ポットコミットしてしまう状況が早い段階でやってきます。スタック10万でブラインドが5000-10000の場合、プリフロップでレイズメイク2.5万、それにコールが入るとポットは5万になります。この時点で自分のスタックは7.5万でポットは5万、フロップが開いて打ち合えばあっというまにポットコミットしてしまいオールインです。

このように、フロップが開けばすぐに生き死にを賭けた勝負の判断をしなければならない状況がやってくるため、プリフロップでのアクションに慎重になるのです。

このような状況で、BBはハンドが微妙であれば、BTN(SB)がレイズインした場合、相手よりもハンドが悪い可能性が高いですし、フロップ以降ポジションが悪いことが決まっていますから、BTNのレイズにコール(もしくはリレイズ)するためには、やはりある程度良いハンドが必要となります。しかしそのようなハンドは頻繁に来るわけではありませんから、BTNのレイズにフォールドすることが多くなります。

また、このような緊迫した状況では、BTNがフォールドすることも多くなります。いくらBTNであっても、46oのようなハンドでレイズし、BBにリレイズされれば降りざるをえません。コール(リンプ)しても、相手に弱みと思われてレイズされれば、やはり降りざるをえません。であれば、SBのブラインド分を犠牲にハンドを捨ててしまいます。46oでポットコミットしてしまうという最悪の状況は避けるべきです。

もちろん、レイズしてBBを降ろせばハンドは関係ありませんが、ブラインドが上昇している状況ではリスクが大きいため、なかなかできるものではありません。よって、レイズすることで相手を降ろせそうだという何かしらの根拠がない限り、ハンドを捨てることになります。

このようにヘッズアップでの戦い方は特殊なため、ある程度経験を重ねてレイズの頻度やプレイの感覚を養う必要があります。

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