ポーカーの歴史
ポーカーの起源については諸々の説がありますが、原型はペルシャのアス・ナスというゲームだと言われています。現在のトランプを使ったポーカーは、19世紀~20世紀にかけて主にアメリカで普及しました。
1855年に、ドローポーカーと呼ばれる、各プレイヤーに5枚のカードが配られ、カードを交換して役を作る形のポーカーが完成しました。これは日本でも馴染みのある方式で、現在でも日本で「ポーカーといえばこのルール」という認知が多いのではないでしょうか。
1860年代になると、アメリカではファイブ・カード・スタッド・ポーカーが普及しました。これは、最初の1枚だけ伏せてプレイヤーに配られ、後はラウンドごとに1枚ずつ表むきにプレイヤーに配られるポーカーです。アメリカの家庭などでよくプレイされるようになりました。最終的には1枚の伏せられたカード(プレイヤーしか見れない)と、表向きになった4枚のカード(全員が見れる)で役を作ることになります。
その後1930年代にセブン・カード・スタッド・ポーカーが普及します。これは最初に2枚の伏せたカードがプレイヤーに配られ、ラウンドごとに1枚ずつ表向きさらに配られていき(3枚目~6枚目)、最後の7枚目はまた伏せて配られる方式です。最終ラウンドまでいくと、3枚の伏せられたカードと、4枚の表向きのカード、計7枚の中から5枚使って役を作ることになります。
ファイブ・カード・スタッド・ポーカーもセブン・カード・スタッド・ポーカーも、各ラウンドでプレイヤーはチップをベット(賭ける)するのですが、最初の方のラウンドでは、自分の役が完成するのか、どれくらいの強さになるのか決まっていない状態でチップを賭けることになり、非常にギャンブル性の高いゲームとなっています。
その後1980年代以降になると、セブン・カード・スタッド・ポーカーが発展して、フロップポーカーと呼ばれるテキサスホールデム、オマハなどが普及し、カジノで行われる主流は現在のテキサスホールデムとなっています。
ポーカーは不完全情報ゲーム
ポーカーは、将棋や囲碁のように、情報が全て完全には見えません。相手の伏せられたカードは何かを推測してゲームするため、すべての情報が開示されていないのです。
逆に将棋やチェスなどは隠れた情報は何もありません、全ての駒の役割と位置など、プレイヤー両者にとって全て開示されています。こういったゲームを完全情報ゲームと呼びます。麻雀などは、相手の配が見えませんから、不完全情報ゲームと言えます。
ポーカーの種類
ポーカーは大きく分けて3つの種類があります。
- ドローポーカー
- スタッドポーカー
- フロップポーカー
ドローポーカー
日本でも馴染みのある、5枚のカードが配られ、カードを任意の枚数チェンジして役を作るポーカーはこれに含まれます。
ドローポーカーにも種類がありますが、基本的に自分の全てのカードは誰にも見られることがないのが特徴です。
つまり情報量が少ないため、駆け引きは、交換した枚数、ベットするチップの量や、相手の癖、心理面で行われることになります。
スタッドポーカー
ドローポーカーの発展版です。プレイヤーにカードが配られますが、一部のカードが表向きに配られます。
例えばファイブ・カード・スタッド・ポーカーは、最初の1枚のみ伏せられており、残りの4枚は表をむいているため、自分のカードの5分の4の情報、相手のカードの5分の4の情報が公になった状態で駆け引きをすることになります。ある程度相手の情報があると、そこから役の強さなどが推測できるため、自分の役との強さの比較が可能となり、ドローポーカーよりも高度な駆け引きが発生します。
フロップポーカー
現在カジノなどで主流となっているポーカーです。フロップとはテーブルに開かれたコミュニティカードのことで、全プレイヤーが共通して使えるカードのことです。
プレイヤーには伏せてカードが配られるホールカードで勝負します。自分の持つホールカード(自分しか見えない)とコミュニティカード(全員が見えて全員が使える)を使って役を作ります。
一部の情報が見えているという点ではスタッドポーカーと同じですが、スタッドポーカーは見えてるカードがそのプレイヤーだけしか使えないのに対し、フロップポーカーは、見えているカードは全員が共通して使うため、より接戦になり、シビアな駆け引きが行われることになります。
例えばスタッドポーカーで、あるプレイヤーの前にAが4枚表を向いていたら、そのプレイヤーはAの4カードが完成していることが誰の目にも明らかとなり、ゲームになりません。しかしフロップポーカーでコミュニティカードにAが4枚開いていいると、全プレイヤーがAの4カードとなるのです。同じ役がぶつかった場合、キッカー勝負となり(キッカーについては別の章で)、K(キング)を持っているかどうかという駆け引きが行われます。このサイトで解説しているテキサスホールデムは、フロップポーカーの一種で、現在最も世界的に普及しているポーカーです。
テキサスホールデムの爆発的な普及
テキサスホールデムは1980年代から徐々に普及していきましたが、転機となったのは2003年のWSOP(様々なポーカーのトーナメントが行われるポーカーの世界大会)です。クリス・マネーメーカーという、それまでカジノのトーナメント参加経験のなかった(オンラインの経験はあり)アマチュアプレイヤーが、本来参加費1万ドルのメインイベントにオンラインサテライト(安く参加できる予選)から参加し、そのまま優勝してしまったのです。この時の優勝賞金は250万ドルでした。
まさにアメリカンドリームを実現したマネーメーカーの様子はアメリカ全土にテレビ放送され、これまでハードルが高そうだったライブトーナメントに「自分にもできるかもしれない!」とプレイヤーが押し寄せたのです。
マネーメーカーの効果で、839人だったメインイベントの参加者は翌年には2576人に、その後も増え続け、2006年には8773人に達し、優勝賞金はなんと1200万ドルにまで跳ね上がりました。1200万ドルというのは、個人の行うスポーツの賞金としては世界最高額です。
こうしてテキサスホールデムは世界中にも爆発的に普及し、カジノでのポーカーといえばテキサスホールデムとして認知されるようになります。
日本でのポーカー
日本では、家族や友人と集まってプレイするゲームとしては、トランプを使ったカブや麻雀が一般的です。ポーカーは、上にも書きましたが、日本では5枚配って複数枚交換して役を作るというドローポーカーが認知されているため、テキサスホールデムはそれほど普及していませんでした。日本にカジノがないのもポーカーがそれほど普及しない要因だと思われます。
しかし、テキサスホールデムの世界的なブーム、そのゲーム性のおもしろさから、日本にも徐々に広まりつつあります。
都市部にあるカジノバーなどでは、ブラックジャック、ルーレット、バカラにならんでポーカー(テキサスホールデム)が設置されるようになり、ポーカーを専門的に扱うお店もあります(お金を賭けて遊ぶことはできません)。オンラインでは日本にいながらリアルマネーでポーカーを楽しめるため、オンラインでのポーカープレイヤーも徐々に増加していきました。
2000年以降、日本国内でもポーカーの大会が行われるようになり人気は確実に上がってきています。
現在日本では、カジノを合法化すための動きが活発です。もしかすると数年以内にカジノが合法化され、日本にカジノが誕生するのもそう遠い未来ではないかもしれません。
そうなれば、テキサスホールデムのおもしろさは一気に広まり、日本でも爆発的な普及が訪れるかもしれません。
それではテキサスホールデムを覚える前に、ポーカーの基本的な用語について覚えましょう!
コメント 名前とメアドは必須ではありません