フォールドエクイティとフィアエクイティ

フォールドエクイティ(Fold Equity)とは、わかりやすく直訳すると「相手がフォールドしてくれる可能性(その結果得られる利益)」となります。

フィアエクイティ(Fear Equity)とは、「あなたを恐れて通常ベットコールレイズするところをしない可能性(その結果得られる利益)」となります。

※相手がフォールドする確率をさすわけではなく、その結果得られるかもしれない利益のことをさします。

<広告>

エクイティは直訳すると「純資産」といった意味がありますが、ポーカーでは期待値と置き換えるとわかりやすくなります。

フォールドエクイティ

エクイティ(Equity)は、資産から負債を引いた純資産を意味する言葉でもあります。

フォールドエクイティは言い換えると、ベットがあなたの資産、相手がコールレイズする可能性が負債、相手がフォールドする可能性が純資産(フォールドエクイティ)となります。

あなたのベット(資産) - 相手がコールレイズする可能性(負債) = 相手がフォールドする可能性(純資産)

という式にすることもできますね。

例えばベットすることで相手が40%の確率でコールレイズしそうであれば、あなたの持つフォールドエクイティは60%ある、という言い方ができます。

どんなベットをしても相手がフォールドせず、コールレイズされそうな場合は、フォールドエクイティは無いと言えます。

フォールドエクイティは、アグレッシブでなければ得ることができません。なぜなら、チェックコールしかしない場合、相手はフォールドする機会が一切ないため、あなたが勝つ方法はショーダウンしかないからです。

フォールドエクイティは、「相手が降りるかもしれない」という可能性なので、先にベットしたり、レイズして相手にフォールドする選択肢を与えなければ発生しません。

これが、アグレッシブが有利でるという根拠の1つでもあります。

例えばあなたがフロップでフラッシュドローになった場合、アグレッシブベットすれば、相手がフォールドしてこちらが勝つ方法と、フラッシュを完成させてショーダウンで勝つ方法の2通りの勝利方法が発生することになります。しかしチェックコールだけだと、フラッシュを完成させるか、運良く相手よりも強いハンドになってショーダウンで勝つしか方法がありません。

相手が降りるかもしれない可能性が高い時に、積極的にベットレイズを試みるプレイヤーは、常にフォールドエクイティを自分のものにしていることになります。

逆に、相手にオールインされた場合、こちらにできることはフォールドコールすることだけで、相手を降ろすことはもう不可能です。つまり、その時点でフォールドエクイティはありません。

フィアエクイティ

フィアエクイティ(Fear Equity)は、通常相手がベットコールレイズしなければならないシチュエーションで、あなたからコールレイズされるのを恐れて消極的なアクションをとってくれることで得られる利益を意味します。

たとえば、ベストハンドだと思えば躊躇なくレイズするようなプレイヤーがいたとします。このプレイヤーと対峙したプレイヤーは、ドローハンドでベットしづらくなります。なぜならレイズされ、降ろされることを恐れるからです。よって、ドローを引く場合チェックコールという選択肢をとることになりますが、あなたもドローであった場合、チェックすればタダでカードを見に行けることになりますし、すでにハンドが強い場合はベットしてプレッシャーをかけることもできるのです。

もし相手があなたを恐れずベットした場合、あなたはドローを引きにいくためにコストを支払う必要がありましたが、タダで見に行くことができたため、あなたは利益を得ているのです。

また、「こいつとは戦いたくない」と相手を恐れさすことも、ファイエクイティを得ることになります。

その理由はなんでもかまいません。

あなたがスタックを大量に持っており、ビッグスタックと戦いたくないという恐れ、アグレッシブに攻められると嫌だという恐れ、リーディングが優れているためブラフが通じないかもしれないという恐れ、これらの恐れによって発生する消極的なアクションは、全てあなたにフィアエクイティをもたらします。

テーブルイメージとほぼ同義だということがわかると思います。

フィアエクイティを得る方法は、必ずしもアグレッシブであることだけではありません。パッシブであっても、シックコール(相手のブラフを見抜いて弱いハンドでコールする)をしたり、強いハンドを隠して潜るようなプレイを頻繁に行うことでも得ることができます。

トーナメントで意識する

スターティングハンドの良し悪し、ボードとの絡み方の良し悪しなどは、誰にでもある波です。

そんな波が上下する中、トーナメントでコンスタントに勝ち抜くには、ハンドが悪くても勝てるようにならなければなりません。

その時に大事なのがフォールドエクイティとフィアエクイティです。

ショーダウンだけで勝ちにいくと、ハンドが悪ければ(波が下向きであれば)絶対に勝てないからです。

リングゲームの場合、時間に制限はないので、ナッツやそれに近いハンドを作って(波が上向くのを待って)大きく勝つ、ということを根気よく続ければ勝てるかもしれません。

しかしトーナメントは徐々にブラインドが上昇していき、根気よく待つことができなくなります。

よって、ハンドを作る、という作業だけでは波が悪い方に向いている時に勝てません。

  • ハンドを作って勝つ
  • ハンドが作れそうな時に降ろして勝つ(セミブラフ
  • ハンドがクソでも降ろせそうなら降ろして勝つ(ピュアブラフ

このように、ハンドの良し悪しだけに頼らずにポットをとりにいくために、フォールドエクイティを活用すべきです。

もちろん、ポーカーに運の要素は常にありますから、最悪の不運が続けばどのような技術を駆使しても勝てないかもしれません。

しかし、少しの不運であれば、テクニックでカバーできるのがポーカーのおもしろさだと思います。

運を100点満点の数値にした時、80点以上でないと勝てないのであれば、トーナメントでコンスタントに勝つことはできません。

たとえ運が50点でも、残りの30点をフォールドエクイティやフィアエクイティを自分のものにすることで、なんとか勝ちにいくことで、勝率を少しでも底上げするのです。

フォールドエクイティを得る方法

自分がアクションを行う際の考え方として

事前にベットが入っていない場合
ベットチェック
の順に検討します。

事前にベットレイズ)が入っている場合
レイズコールフォールド
の順に検討します。

最初に最もアグレッシブなアクションを検討し、ベットレイズができる状況であれば行うようにします。そうすることで、常にあなたはフォールドエクイティを得ることになります。

先にベットされた際、コールするかフォールドするか、という選択肢を最初に検討していると、常に相手にフォールドエクイティがあることになります。

レイズできる状況でコールチェックするのは、相手からベットを誘い出す場合だけにすべきです。つまり相手にフォールドしてほしくない(フォールドエクイティなんていらない)場合にチェックコールといったパッシブなアクションを行います。

いわゆるスロープレイですが、スロープレイは相手に逆転される危険性も含んでいますから、常に注意深く相手に逆転の目があるかどうかをボードから読み取らなければなりません。

例:AKsでフォールドエクイティを得る

全員スタック50BBの5人のテーブルで、あなたはBTNでAKsが配られました。

UTGレイズ3BB⇒MP1リレイズ9BB⇒あなたの番です。

既に3ベットが入っている状況ですが、あなたのハンドはAKsというプレミアハンドが入っています。

AKsは非常に強いハンドですが、ポケット相手のヘッズアップでは勝率は負けています。

この状況で、パッシブなプレイヤーならコールに留めるでしょう。

ではUTGのハンドがJJ、MP1のハンドがAQsだったとして、あなたがコールした場合とレイズした場合の展開を想定してみます。

コールした場合

UTGレイズ3BB⇒MP1リレイズ9BB⇒あなたコール9BB

⇒SBとBBフォールド⇒UTGリリレイズオールイン⇒MP1フォールド⇒あなたの番です

UTGはMP1をAQs+、77+だと読み、コールにとどめたあなたのハンドも同程度と読みました。

Ax相手ならヘッズアップに持ち込めばJJの勝率は上ですし、ポケットでも負けているのはQQ、KK、AAの3つだけです。オールインしてここで全員降ろしてしまっても、あなたのコールポットに入った9BBがあり、十分利益になります。よって、降りる可能性も高いとみてUTGレイズオールインしました。

MP1は、UTGがひるまずにオールインしたことから、UTGのハンドをAK+、QQ+だと考えました。MP1のAQsは最悪の場合ドミネートされている可能性もあります。また、後ろにいるあなたがモンスターハンドの可能性もあるため、スクイーズされる形にもなっているため、フォールドしました。

さてあなたの番ですが、UTGはオールインしているので、あなたはコールしかできません。相手がポケットの場合、たとえAKsでも勝率は負けています。(JJ:52.9%、AKs:46.8%)

しかしMP1の9BBもポットに入っていますから、オッズ的にはぎりぎり合いそうです。

ただ、UTGからの4ベットオールインは、AA、KKの可能性もあり、その場合AKsの勝率は非常に低くなります。

あなたは「相手がポケットなら勝率悪いな~、AA、KKだと悲惨」と考え降りるか、勝率が悪いと思いながらもAQ以下を願ってコールするかの2択を迫られることになります。しかしAQ以下でUTGから4ベットオールインをするでしょうか?

※重要なのは、あなたがフォールドを検討している時点で、UTGフォールドエクティを得ているということです。

レイズした場合

UTGレイズ3BB⇒MP1リレイズ9BB⇒あなたリリレイズオールイン

⇒SBとBBフォールド⇒UTGフォールド⇒MP1フォールド

UTGはあなたの4ベットオールインを見て、QQ以上、少なくともAKだと考えます。MP1もモンスターハンドの可能性もあるため、もしここでコール(オールイン)してMP1もコールし、JJvsAKvsQQというJJにとっては最悪のシチュエーションにもなりかねません。よって、まだ3BBしか出してないJJはフォールドできます。

MP1はAQsというハンドでUTGを降ろすためにレイズしたのですが、あなたにさらにレイズオールインをかぶせられ、AQsというハンドは負けていると確信を持ちます。あなたのプレイは、AK、上位ポケットのいずれかに見えるからです。

あなたがJJ以下のポケットの場合、AQsは2オーバーでまだ勝率はありますが、AKだった場合非常に不利な戦いになりますし、4ベットというのはQQ以上の可能性を示唆しています。

よって、AQsはコールできずにフォールドです。

 

以上がシミュレーションですが、もちろんテーブルイメージやプレイスタイルなどで判断は変わってくると思いますが、一般的な思考ではこのような状況になるのではないかと考えながら書いてみました。

上記のJJ、AQs、AKsのハンドのプリフロップでの勝率は、それぞれスーツはかぶっていないとすると

  • JJ:40.2%
  • AQs:22.0%
  • AKs:36.4%

という勝率になります。オッズ3倍(3人がオールイン)の状況で、AKsは33%以上の勝率があります。

つまり、あなたがレイズオールインして、二人にコールされたとしてもまだオッズに合う戦いができるということです。

相手がフォールドすれば勝ち、コールされてもオッズに合う勝負ができる、という状況だったことがわかります。

比べてみてください。

  • オッズにぎりぎり合う勝負を受ける
  • 降ろして勝てる可能性が高い状況で攻めコールされてもオッズに合う

長期的に見て、どちらが利益を生むでしょうか。

 

余談
例でも出したAKというハンドは、フォールドエクイティを得るためにもっとも適したハンドと言えます。

AA、KKは非常に強いハンドなため、降ろしてしまうのはもったいない状況があります。

トーナメント終盤でのヘッズアップなどです。

相手にそれなりのハンドでフロップまで見せ、できれば1ペアを作らせてチップをポットに入れさせるのです。KKはAのみヒットされると厳しいですが、それ以外は何をヒットされてもワンペア同士であれば勝っています。AAについては最強の1ペアですから、相手にどんな1ペアを作られても怖くありません。

こうした好機に、フォールドさせるためのベットというのはもったいない、という場合があります。

しかしAKは違います。ヒットしなければただのナッツハイカードでしかありません。

そして、フロップでは3分の2の確率でAKはヒットしません。

そのため、相手をフォールドさせることは十分合理的なのです。

「強気で攻めてフォールドさせる。相手が抵抗しても(AA、KK以外には)十分に勝率がある」

というハンドなのです。

コールされても問題ないという保険があるのですから、相手を降ろしにいくことに躊躇しなくてすみます。

AKはアグレッシブに攻めましょう!

このカテゴリの他の記事



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す