ブラフキャッチ

ブラフキャッチとは、相手のブラフベットにコールして利益を得ることです。

ブラフキャッチは、アグレッシブなプレイヤーが増えた昨今、非常に重要なスキルとなっています。

ブラフキャッチが有用な理由

以前はコールばかりするようなパッシブなプレイヤーが多くいましたが、現在はアグレッシブを推奨する戦略本なども発行されており、ポーカープレイヤー全体のレベルも上がり、アグレッシブであることはもはや普通のことになっています。

もちろんパッシブなプレイを自分のスタイルとする上手いプレイヤーもいますが、現状では、上手くなること=アグレッシブにうてること、という状態と言えるでしょう。

アグレッシブであることは、つまりブラフも多用するということになります。

ブラフの頻度があがっている状態では、相対的にブラフキャッチを多用することで利益が増えることになります。

こうした、アグレッシブであるか、パッシブであるか、というのは、ミクロな視点でいうとヘッズアップ、マクロな視点でいうとポーカー業界全体を指します。

管理人は海外を転戦するようなプロではないので、世界のポーカー事情に精通しているわけではありませんが、昔に比べれば全体としてアグレッシブになっている傾向があるように思います。

まわりがアグレッシブに偏ってきてるのであれば、さらにその先のブラフキャッチを多用する、という戦術が時には効果的に利益を産むようになります。

ブラフキャッチと一言でいってもその奥は深く、相手がブラフしやすい状況で、もしくはそういった状況を作って、より成功率の高い状態でコールするのが戦術的なブラフキャッチとなります。

相手がブラフしやすい状況とは

ブラフしやすいシチュエーションを把握しておくことで、ブラフキャッチの精度を上げましょう。

あなたが弱みを見せる

あなたが弱み(チェックなど)を見せたら、相手は「降ろせるんじゃないか?」と考えるのが普通です。アグレッシブなプレイヤーであるほど、あなたの弱みにつけこんで攻めてきます。

ブラフしやすいボード

ボードが連続していたり、同一スートが3枚以上落ちた場合、アグレッシブなプレイヤーはストレートやフラッシュを装ったブラフで攻めてきます。

ブラフできるストーリーがある

上手いプレイヤーはストーリーを作ってブラフしてきます。全員リンプでボードが開き22T、BBのアグレッシブなプレイヤーは、2を持っているという主張してブラフしてきます。プリフロップでレイズが入っていない場合BBのハンドレンジは全てのハンドなため、2を持っている可能性はそれなりにあるからです。

あなたがよく降りている

あなたが3ベットやフロップが開いた後のCBなどに対しダウンするのを何度も見せていた場合、あなたはアグレッシブに攻められるとすぐに降りるプレイヤーという印象ができ、アグレッシブなプレイヤーは攻めてきます。

ポットが大きい

ポットが膨らみすぎて、オッズ的に降りれない場合ブラフの割合は増えます。ブラフしないとポットが取れない状況で、ポットがあまりに大きいと強引にブラフしてくるプレイヤーもいるでしょう。

これらのブラフしやすい状況の場合、相手のベットに対してコールすることは、それ以外の状況に比べて、相手のブラフの確率が上がり、期待値が高くなります。

ストーリーから判断するブラフキャッチ

相手のベットにストーリーがあるのかどうかという視点でブラフかどうかを見極めます。基本は、相手が正しいバリューベットをしているのかどうか、というところに注目します。相手の持っていそうなハンドレンジとアクションの整合性を確認してみましょう。

あなたがMPからAKoレイズし、BTNがコールしたとします。ヘッズアップです。ポット8BB。

フロップ:35Jレインボー
あなたチェック→BTNチェック。

あなたはチェックという弱みを見せましたが相手もチェックしました。Jを持っていれば相手は通常ベットします。JJや55などでスロープレイもあり得ます。相手はあなたのハンドをなんだとリーディングしたでしょうか?もしあなたが77+のポケットを持っていたら、フロップでCBを打っていませんでしたか?あなたはAハイなのでCBをうちませんでした。よって、相手はあなたのハンドをAT+なのではないかというリーディングをしていそうです。

ターン:9
あなたチェック→BTNベット3BB→あなたコール、ポットは14BB。

相手はあなたのハンドをAT+だとリーディングしていそうなので、相手は9やJを持っていなくてもここでベットできます。降ろせそうだからです。しかしあなたはコールしました。相手はあなたのハンドをなんだと思うでしょうか?JJ、55のスロー、その他のペア、Aハイでタフコールと相手は考えそうです。

リバー:3
あなたチェック→BTNベット10BB。

相手はリバーでもベットしてきました。このベットは(当たり前ですが)バリューベットかブラフかのどちらかです。
正しいバリューベットの場合、あなたは相手よりも弱いハンドでコールすることになります。
正しいブラフベットの場合、あなたはダウンします。

あなたはコールするとして、相手のベットが正しいバリューベットだった場合、相手はワンペア以上のハンドを持っています。相手がブラフ(ブタ)だった場合、あなたのコールはブラフキャッチとなります(あなたのAKは最強のブタです)。

相手のベットが正しいバリューベットの場合、相手は最低でも全てのポケット、3、5、J、9のいずれかを持っています。

相手は44、66、77、88といったポケットの可能性

フロップでJ、ターンで9と相手にとってオーバーカード落ちましたが、あなたはフロップもターンもチェックしたため、低いポケットでもターンでベットできそうです。

しかしあなたはターンでコールしました。それでもこのようなミドルポケットで相手はリバーでベットしました。相手はあなたがAハイでコールすると思ってベットしたのでしょうか。それともあなたが5のペア、スモールペアを持っておりコールすると思ってベットしたのでしょうか?

こうした低めのポケットを持っていた場合、リバーのベットは合理的ではないように見えます。

相手は5を持っている可能性

相手のハンドレンジに5が入っていれば可能性はあります。A5や56sといったハンドであなたのレイズにコールするようなプレイヤーですか?そしてあなたはターンでコールしました。

それでもこのような低いワンペアで相手はリバーでベットしました。相手はあなたがAハイでコールすると思ってベットしたのでしょうか?5のワンペアの場合、リバーでのベットは合理的ではないように見えます。

相手はJや9を持っている可能性

Jを持っていてフロップでチェックするでしょうか。Jはなさそうです。ターンで9を拾ったのでしょうか、その可能性はありますが、A9やK9といったハンドでプリフロップのあなたのレイズにコールするようなプレイヤーですか?また、リバーでのベットは9のワンペアを持っていたとして、正しいバリューベットになり得るでしょうか?あなたを77や88だとリーディングしていれば9のワンペアでバリューベットをうつ価値はあります。

相手は3を持っている可能性

3はリバーでトリップスになりましたから、3を持っていればリバーでのベットはあり得ます。しかし相手のハンドレンジに3は入るでしょうか?こうしたシチュエーションで3を持っているのはなかなかのマニアックです。

相手はTT、QQ、KK、AAといったハイペアの可能性

このようなハンドで相手はプリフロップでジャストコールするプレイヤーですか?また、フロップでチェックしそうですか?TTならリバーはチェック、QQ~AAであればプリフロップの時点で3ベットしていそうです。おそらくハイペアはなさそうです。

55、99、JJなどのセット持っている可能性

あり得ます。JJであればプリフロップで3ベットしそうですが、それでも99と55の可能性はあります。

これらの事実はそれなりの確率で相手はブラフであることを指し示しています。リバーでの相手のベットが正しいバリューベットになるハンドが少ないのです。コールしてショーダウンした場合、9のワンペア、や55、99といった非常に強いハンドが出てくるか、もしくはブラフハンドが出てくるでしょう。

また、上記のような考え方は相手がある程度うてるプレイヤーでないと意味がありません。持っていなさそうな3やJをフィッシュは持っていますし、逆に非常に上手いプレイヤーも3やJを持っていたりするものです。

※断定的に物事を書いていますが、あくまで考え方の参考に書いています。相手のプレイスタイルによって、持っていそうなハンドは様々です。

確率から見るブラフキャッチ

同一スートが4枚落ちているボードであなたがリバーで先にアクションを行うとします。あなたは2ペアを持っていて、相手はただのKハイです。

あなたがベットした場合、相手は90%の確率でフォールドし、10%の確率でフラッシュを装ってレイズしてきます。ブラフキャッチするためには、相手のレイズにコールしなければなりません。
(このようなボードでブラフレイズするのはタフな心臓が必要で、中々できませんので10%と低い確率にしています。)

あなたがチェックした場合、相手は50%の確率でチェックし、50%の確率でベットしてあなたを降ろしにきます。ブラフキャッチするためには、相手のベットにコールしなければなりません。
(このようなボードでチェックして弱みを見せると、ベットすれば降ろせるのではないかと思いブラフしやすくなり、50%と高い確率で相手はベットしてきます。)

そもそもあなたはハンドは勝っていますから、現在のポットはフォールドしない限りあなたのものです。

あなたが20BBのポットに対して、10BBのベットをした場合、90%の確率で相手は降りるので、元々あなたのものになる予定だった20BBを手にして終わりです。

しかし10%の確率で25BBにレイズしてきます。あなたはこれにコールすることで、元々あなたのものである20BBのポットに、さらに25BBを追加で手に入れることができます。

あなたはこのレイズにコールできますか?

あなたがチェックした場合、相手は50%の確率でチェックしますので、元々あなたのものになる予定だった20BBを手にして終わりです。

しかし、50%の確率で相手は10BBのベットをしてきます。あなたはこれにコールすることで、元々あなたのものである20BBのポットに、さらに10BBを追加で手に入れることができます。

あなたはこのベットにコールできますか?

さて、あなたがもし相手に勝っていると100%リーディングできていた場合(フォールドしない)、リバーでベットする、チェックする、どちらが利益を増やせるのでしょうか?

ベットしていた場合、10%の確率で相手のブラフレイズにコールして25BBを手に入れることができますから、

25BB×0.1=2.5BB の期待値があります。

チェックしていた場合、50%の確率で相手のブラフベットにコールして10BBを手に入れることができますから、

10BB×0.5=5BB

となり、チェックして相手にブラフさせる確率を上げたほうが利益が高いことになります。

この例は、相手がKハイ(弱い)で、あなたがそれをリーディングできている場合ですが、実際は相手がどのようなハンドを持っているのか完全にはわかりません。

そのような状況であなたはベットして相手にレイズされた時に、「勝ってる」と自信を持ってコールできるでしょうか。

あなたがチェックした場合、相手がベットしてきたら、相手はフラッシュを持っている可能性ももちろん高いですが、ブラフの可能性もそれなりに高いと言えます。さらにレイズの場合の25BBではなく、10BBをコールするにとどまりますので、もし相手がフラッシュを持っていたとしても損失は抑えることができます。

よって、リバーでのあなたの方針は「勝っているかわからないが、ベットするよりチェックすることで相手のブラフをキャッチしたほうが期待値は高いのでチェックコールする」となります。

実際にはあなたがベットした場合、相手は上の2ペアやセットなど、あなたに勝っているハンドでコールしてくることもあり、ベットする期待値はもっと低くなります。

バリューベットを選択する

ブラフキャッチと対をなすのがバリューベットです。

上記の例ではあなたは、フラッシュ目の強いボードで2ペアという中途半端なハンドを持っているため、ブラフキャッチ(相手がブラフする割合を増やす)を選択しましたが、あなたがナッツフラッシュを持っていた場合はどうでしょうか。

相手がKハイという手であれば、上の例で示した確率でアクションを返してきますので、やはりチェックが最も利益を産みます。

しかし相手が2ペア、セット、ストレート、弱いフラッシュなど、ベットしてもコールしてくれるハンドが多数ありえる場合は、チェックは利益を捨てていることになります。なぜならそれなりに強いハンドを相手がもっていた場合、あなたがチェックすると相手もチェックしてショーダウンを選択するからです。(相手もフラッシュが怖いのです。)

そのため、チェックしてブラフを期待するよりも、バリューベットを選択したほうがよい場合もあります。

まとめ

要は割合の問題です。ベットした時に相手があなたよりも弱いハンドでコールする割合。あなたがチェックした時に相手があなたよりも弱いハンドでベットする割合。それらを最大化させるアクションを行うべきです。

アグレッシブが増えたからブラフキャッチが有効だ、というのは、アグレッシブなプレイヤーが増えてアグレの割合が全体的に上がっているから言えることですが、あくまで全体の傾向にすぎません。

あなたが対峙しているプレイヤーは本当にブラフを多用するプレイヤーですか?あなたがブラフキャッチをしようとしていることを相手に悟られていませんか?

上級者同士の戦いになると

  1. 相手がアグレだからあなたはブラフキャッチを多用する
  2. あなたがブラフキャッチを多用するので相手がブラフを減らしてマジ手の割合を増す
  3. 相手がマジ手を増やしてタイトになってきたのであなたはブラフを増やしてアグレになる
  4. あなたがアグレになったので相手がブラフキャッチを多用する
  5. 相手がブラフキャッチを多用するのであなたはブラフを減らしてマジ手の割合を増やす
  6. あなたがマジ手を増やしてタイトになってきたので相手がブラフを増やしてアグレになる
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と、相手のプレイの裏をかこうとするメタゲームが繰り返されます。(ただし、これだけのメタゲームを行うには同一テーブルで同じ相手と数時間プレイしないと無理でしょう。)

また、ブラフキャッチを意識するあまり、コールばかりしてあなたがコーリングステーションになってはいけません。ブラフキャッチによって稼げるといっても、アグレッシブに攻めて得られる利益のほうが大きいからです。

決して本業にはせず、あくまで副業としてブラフキャッチを活用しましょう。

余談ですがこの記事を書くために、ブラフキャッチの研究をするあまりコールばっかりして全然勝てなくなってしまいましたw

コメント 名前とメアドは必須ではありません

  1. タケ より:

    ブラフキャッチとルーズコールの境界線は限りなく、分かりにくい。
    ショーダウンバリューがあるハンドと意味合いが微妙に違うかなと。

  2. とおりすがり より:

    広告で記事が読みにくいです

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